堀内孝雄
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青二才~わが友よ – 堀内孝雄
地図にない道 さまよいながら今日まで生きた 友よ お互いに黒船みたいな 時代の波に呑み込まれては 負けだよと生意気盛り 抜けきれないで青二才 まだ続いている 青くあれ 青くあれ友よおまえと いつまでも青くあれ 青くあれ友よおまえと いつまでも 胸に聴こえる おまえの声が支えているんだ 友よ わかるだろ常識なんかは 蹴飛ばしながら俺たち花火 打ち上げるのさいつまで夢を 見ているんだと青臭い やつらと…
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ユズリハ – 堀内孝雄
こんなに遠くまで 歩いてきたんだね振り返ることも忘れ 歩いてきたんだね 別れた人のことや 出逢えた人のことも思い出にし続けて 歩いてきたんだね 必ず明日は来るものと疑うこともない素振りで人は今日を生きている人は今日も生きている 空を見上げながら 命を感じながら心では気付いている 残りの時間の数 ひとりで生きる強さ ひとりで逝く寂しさ覚悟を持つ者だけ やさしさを知っている 必ず明日は来るものと疑うこ…
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泣かせて – 堀内孝雄
楽しい想い出ばかりだなんて言わないでこんな時に なんの慰めにもならない泣かせて 泣かせて男には 出来ないことだもの泣かせて 泣かせて自分が 悔しいだけよ なにも考えずに ただひたすら愛した馬鹿で可愛い私が 心にうずくまる泣かせて 泣かせてこれも ひとときのことだもの泣かせて 泣かせて美しくなくても いいわ あなたの言葉より 今は安い 流行歌の方がまし悲しいことは どんな化粧したって 悲しいのです …
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親父の帽子 (アコースティック・バージョン) – 堀内孝雄
親父の形見の マドロス帽子かぶれば潮の 匂いがするよお袋泣かせた 数々の港女の 匂いもまじる死ねば仏さ ゆるしてくれとはにかんでいる 親父の帽子 マドロスパイプを くゆらせながら嵐の海に 出かけた親父親父にしてみりゃ あの海は陸(おか)の上より 住みよいところそんな男に 一生かけた乙女のような おふくろだった 親父の形見の マドロス日記おふくろ宛ての 恋文なのさ浮気は本気が あればこそ出来るわけさ…
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クラシックを聴きに行った – 堀内孝雄
クラシックを 聴きに行った君は行儀が 良かった僕は途中から 寝ていた咳ひとつせず 身動きもせずやな女だと 思った反面育ちが違う人だと 品の良さには魅かれた僕はこっくりしたか僕はいびきをかいたか クラシックを 聴きに行った君は行儀が 良かった僕は途中から 寝ていたがまん大会 ようやく終えて帰りに寄った しゃれたレストラン華やかに笑う君を とても不思議に思った君は音楽会が君は楽しかったかい なんのこと…
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冬が終って – 堀内孝雄
恋人たちは楽しそうに手を組み歩いてゆくほほえみ浮べ僕はひとりで耐えているあなたのいないこの町で さみしいことにはなれっこさもうすぐ春になるからね雨があたまにひとつふたつ空まで心配そうだ 冬が終って春がきてきっと幸せつかんで見せるアー 私も苦しんだ短い日々ではあったけど さみしいことにはなれっこさもうすぐ春になるからね雨があたまにひとつふたつ空まで心配そうだ 人気の新着歌詞 男達のララバイ R…
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冬の蝶 – 堀内孝雄
愛を失くしたどうしが 寄り添うことをひとはやっぱり愛と 呼ぶのだろうか流行(はや)りの服を脱いだ 君の肌には誰がつけたのか 見えない傷あと“愛してた” “生きていた” “輝いていた”かすれ声のつぶやきは みんな過去形冬の蝶 冬の蝶ぼくの肌に とまれ 名前も教え合わずに 暮らせばいいさ摩天楼の森に 春が来るまでほどいた髪の香り 少女のようだいつかなつかしく 思い出すだろう“愛せるさ” “生きられるさ…
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裸樹 – 堀内孝雄
語り終えた後で言い残した事が涙に姿変え時を移して散るくちびるに手を当てうつむいて黙って煙草の吸殻にあなたは瞳(め)を伏せる 何か言ってお願いだから心変わりを許されるのは責められるより辛すぎる 木の葉を脱いだ裸樹が北の星座に震えるように人は独りなんだね人は独りなんだねそんな淋しい言い方されて突き離すだけ辛すぎる さよならと問われて答えさえ出さずに諦めるあなたの弱さが悲しくて私の手を握り力ずくで引けば…
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愛染橋 – 堀内孝雄
春一番が吹き荒れた後花を敷いた路地へ今日こそ返事聞かせてくれと問いつめられそうで あなた以上にやさしい人はいそうにもないけど結婚なんて旧い言葉に縛られたくなくて 橋の名は愛染橋ほほえんで渡れば恋がかなううつむけばそれきりとまどい橋 うちは淋しい女やからね愛なんてよう知らん時の流れも春のうららに渡りたい 渡れない 髪の芯まで飽きられる日が来ないとも限らずそしたらすぐに別れる勇気ありそうでなさそで 橋…
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涙を捨てる街 – 堀内孝雄
悲しみのない 国があるなら海を渡って でかけたい風の波止場に トランクひとつさみしさだけを つめこんで 想い出ながす 河があるならあなたの優しさ 忘れたい愛をつづった 手紙の束もせせらぎ深く 沈めよう 涙を捨てる 街があるならいつか夜汽車で たずねたい星が窓辺に せつなく光るひとりぼっちの 旅をして さよならのない 愛があるならも一度だれか 愛したいそれは別れた あなたにどこかどこかよく似た 人で…