國府田マリ子

木もれ陽のイリュージョン – 國府田マリ子

木もれ陽の中
かけてく背中
あの娘に似ている
どうしているのかしら
遠い日のライバル

制服の日々
ひとりのことを
競い合ったこと
静かによみがえる
強気なあの瞳

Ha~ 彼のことを呼び捨てにする声が
Ha~ 胸を刺した 傷が残っている

嫌いだった 苦しかった
認めたくなかった
責めることも出来なかった
ぎこちない
あの微笑みを

木もれ陽の空
近くに見える
雲にさわれない
届くはずの気持ち
ずっとさまよってた

ふたりの姿
見かける度に
うつむいていたわ
息もできなかった
遠い日のまぼろし

Ha~ 写真見ても 心揺れなくなった
Ha~ アノ気持ちは どこへ消えたのかな

嫌いだった 悔しかった
許したくなかった
彼の気持ち見えなかった
なんとなく
ねえ なつかしい

嫌いだった あの瞳を
最後までみつめた
彼女のこと もしかしたら
私も好きだったのかも

嫌いだった 素敵だった
いつかまた逢いたい
ひとり歩く 優しい風
あかね雲
頬染めてゆく

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