吉植未央
湘南ひき潮 – 吉植未央
湘南ひき潮 砂の中のサンダル
賑わった海の家を秋風が消して行く
君は水着をバスケットにしまって
灼けた肌袖にかくし街へ行くバスに乗る
8月の熱い砂が
冷えて行く秋に
色の褪せた愛を抱いて
君が振り向く
手紙を書くわと頬をかたく凍らせ
一夏の想い出手に都会の少女になる
淋しさを走る風と
翳り行く陽射し
砂に残る靴の跡に
君が浮かぶよ
湘南ひき潮 砂の中のサンダル
賑わった海の家を秋風が消して行く
君は水着をバスケットにしまって
灼けた肌袖にかくし街へ行くバスに乗る
8月の熱い砂が
冷えて行く秋に
色の褪せた愛を抱いて
君が振り向く
手紙を書くわと頬をかたく凍らせ
一夏の想い出手に都会の少女になる
淋しさを走る風と
翳り行く陽射し
砂に残る靴の跡に
君が浮かぶよ
彼の車に乗って真夏の夜を 走りつづけた彼の車に乗ってさいはての町 私は着いた悲しい出来事が 起こらないように祈りの気持をこめて 見つめあう二人を朝の冷たい海は
君を見つけた この渚に一人たたずみ 思い出す小麦色した 可愛いほほ忘れはしない いつまでも水面走る 白い船長い黒髪 風になびかせ波に向って 叫んでみてももう帰ら
あなたを思い出す この店に来るたび坂を上って きょうもひとり来てしまった山手のドルフィンは 静かなレストラン晴れた午後には 遠く三浦岬も見えるソーダ水の中を 貨
ふたりを 夕やみがつつむ この窓辺にあしたも すばらしいしあわせが くるだろう君の ひとみは星と かがやき恋する この胸は炎と 燃えている大空 そめてゆく夕陽