古内東子
-
夏の果て – 古内東子
何度も恋しくて見上げた真夏の空忘れないで私はもう泣いてない、泣いてない心がまだ求めても手放したその腕は追いかけないもう二度と記憶の中で揺れる悲しみよとけていってよ過ぎてく時の中に 夏の果て 長くあつい季節がまたひとつ終わってく夢のようで陽炎のようであなたとの恋のようで耳元で囁き返す愛の言葉本気だったからだけどもう戻れはしない少し涼しい風が吹いた 何度も恋しくて見上げた真夏の空探さないで二人はもう出…
-
No Coffee Day – 古内東子
タイトルもおぼえてないのに何故か胸の中に残ってる映画みたいにそれはとてもくだらなくて尊い会話あなたといるとそう楽しいことあるような気がして隣にそっと行ってしまう昔ならばこれを恋だと名付けては数えたの眠れない夜を今はそんなんじゃないけどもうないけれど コーヒーを我慢した日は一日がまるで締まらないあなたの近くで笑えなかった日は物足りなくてつまらないなんか切なくてつまらないの タンブラーがお揃いだった時…
-
ラジオ – 古内東子
パンクしたタイヤのようにペシャンコになるそんな時もあって然るべき味方してくれる誰かが一人いればいいそっと渡すお礼のチョコレート真っ直ぐうちに帰るまでもう考えない明日のことは 窓の外音を立てて雨が降ってるまだ眠くないの懐かしい歌を口ずさんでグラスのハイボール真夜中のラジオ、ラジオ 消したいのに頭の中に溢れ出してく言いたくても言えなかったことそんな時は好きなものだけテーブルに出してそうよ自分の機嫌取れ…
-
予感 – 古内東子
予感信じてもう一度会いたい胸が苦しいのはそうあなたのせいそうあなたのせいあの日から今もずっと続いてる 正直に言うとあんまりおぼえてないのよでも二人は出会ってたんだねもう何年も前のこといろんなタイミングで巡り巡ってきた運命お互いの時間いま重なる 形はどうあれ もしもあなたの心の片隅で何か生まれたならねえ教えて欲しいそう教えて欲しいあの日から今もずっと願ってる 正直に言うとはっきり思い出したの目を初め…
-
思い出のカケラ – 古内東子
夕闇の中に偶然見つけた新しい店はランプのように寂れた通り灯してた変わってゆくのね街も人も二人でいた頃は普段着のままでどこまでも行けたあなたがそばにいるだけでもう幸せが向こうからやって来る気がしたタクシーの窓を開けて入り込む冷たい風 秋のにおいもしあなたもこうしてここを通り過ぎるなら私のことを思い出すでしょうかあちこちに落ちたカケラを拾うようにこんな風に 出会わなければと何度も泣いたの本気の恋なら終…
-
Long Story Short – 古内東子
時間が巡って風が吹いても前だけ向いてきたけど答え合わせのように今あなたが目の前にいる変わってくことも変わらないこともどちらも後ろめたい気がしただって大事だったあなたがずっと心にいたから 滲む幸せが教えてくれるのあなたが辿り着いた人は素敵な場所とても嬉しくて少し寂しくてでも話してあなたのストーリー出来れば手短に笑顔で聞けるように 数えきれない場面の中に私がいなくなってからも数えきれない涙 人に見せず…
-
満月のせいにして – 古内東子
ぽっかり空に浮かんだ遠くの月あれはきっと今夜の私なの孤独よどこまでも、特にこんな夜は情けないこともつい言いたくなっちゃうの完璧な毎日を求めてもそんなのうまく掴めるはずもない下手なステップでも踊り続けよう誰かが見てても、そう見てなくてもそれが自分ならば、だからいっそいっそ 満月のせいにして週末のせいにしてあなたのこと思い出すのもどうかしちゃってるのかもね寂しさなんて振り払ってどうでもいいジョークを唱…
-
雪解け – 古内東子
運命なんて呼べるはずもないありきたり過ぎる出会いも雑多な日々に埋もれることなく心に光くれた大事になるほどに余計にこわくて優しくしたくなるほどに離れていったの あの時あなたを好きだったの本当は解けない雪のようにずっと心の底に眠ったまま言葉にさえ今も出来ないまま 名前を呼んでくれるだけで街中がきらめいてグレーな日々は色を取り戻す瞬きよりもはやく大事になるほどにしまいたくなって優しくしたくなるほどに背中…
-
最初から – 古内東子
寝ても覚めてもあなたの顔 無意識に見てた話をすれば 自分じゃないみたいにおしゃべりになった恋をしていた あなただけが胸高鳴らせただけど本当は知ってたのあなたの視線はいつも彼女にあったでも無理もなくて… まぶしくなる思わず目を閉じうつむいてしまいたいほど私まで 彼女を見ていると胸騒ぎはやがて予感になって今 現実に変わる最初から決まってたあなたはきっと彼女と歩いてゆく ピンクが似合う 花のような彼女の…
-
ココロマド – 古内東子
分刻みに動いてゆく また違う風が吹いてる立ち止まれば乗り遅れる ここはそういう街なのかもだけど不思議なほど 二人でいると何も聞こえない、見えない何もいらない 心にもしも窓があるならたったひとつのカギはあなたに預けていようどこかで道に迷った時はあなたがいるところへあなたが呼ぶ方へ歩いてゆけばきっと大丈夫 洗いたての髪が乾く 信号3つ分を歩く誰もきっと こんなふうに毎日スイッチ切り替えるどこか遠い空へ…