八木春子

城ヶ崎みれん – 八木春子

迷いをたち切り 貴方と別れ
ひとりで来ました 城ヶ崎
潮風 荒波 海鳥たちも
風花(かざはな)さけては 乱れとぶ
ゆれる吊り橋 心もゆれて
渡りきれない 戻れない

瑠璃色輝(ひか)る 月よりの道を
この道行けば 逢えるかと
想いを浮かべて ながめてみても
男女(ふたり)の人生(みち)など さがせない
たたきたたかれ 傷つき果てた
恋の紅糸 ほどけない

門脇岬 冷たい風が
この身をふるわせ また泣かす
一夜(ひとよ)限りの 未練の宿は
女の心に いつまでも
炎(も)えてくすぶり 哀しくさせる
夢を下さい 城ヶ崎

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