保田圭

  • 異邦人 – 保田圭

    子供たちが空に向かい 両手をひろげ鳥や雲や夢までも つかもうとしているその姿は きのうまでの何も知らない私あなたに この指が届くと信じていた 空と大地が ふれ合う彼方(かなた)過去からの旅人を呼んでる道あなたにとって私 ただの通りすがりちょっとふり向いてみただけの 異邦人 市場へ行く人の波に 身体(からだ)を預け石だたみの街角を ゆらゆらとさまよう祈りの声 ひづめの音 歌うようなざわめき私を置き去…

  • 雨の物語 – 保田圭

    化粧する君の その背中がとても小さく見えて しかたないから僕はまだ君を 愛しているんだろうそんなことふと思いながら窓の外は雨 雨が降っている物語の終りにこんな雨の日 似合いすぎてる 誰もが物語 その1ページには胸はずませて 入ってゆく僕の部屋のドアに 書かれていたばすさ“とても悲しい物語”だと窓の外は雨 あの日と同じ肩を濡らした君がドアのむこうに立っていたのは 窓の外は雨 雨が降ってるいく筋もの雨…

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