伊藤敏博

一枚の切符から – 伊藤敏博

ああ 一枚の切符から 又 旅を始めよう
あなたに出遭うために 又 旅を始めよう

空を舞うのは 風を恐れずに
つばさ広げた 鳥だけ
都会(まち)のテラスで 見上げた空が
ふいにささやきかけた 気がして

時は道行く 人たちのコート
無理にぬがせて 微笑む
手と手つないだ 恋人達を
一度ほどいて 想いをためすように

他のだれより あなたを誘って
本当は行きたい 旅立ちだから
忘れないよ おもかげ連れて行くから

ああ 一枚の葉書から 又 愛を始めよう
手を振る人と 見送る人から
また愛を始めよう

旅に出ようと 思いついたのは
忘れかけてた ときめき
ビルのガラスに映った空の
雲の行方を さがしに 行きたくて

他のだれより あなたへの電話
一番うれしい 旅先だから
変わらないよ 愛しさ 深くなるだけ

ああ 一枚のコインから 又 愛を始めよう
呼んでる声と 答える声から 又 愛を始めよう

ああ 一枚の切符から 今 旅を始めよう
あなたに出遭うために 今 旅を始めよう

ああ 一枚の切符から 今 旅を始めよう
あなたに出遭うために 今 旅を始めよう

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