伊東ゆかり

  • 或る手紙 – 伊東ゆかり

    そしてあれから貴方も しあわせかしら雨の降る日は濡れたり してないかしらいつも気にかかる あの二人の別れ方見かけより貴方は もろいんだものおなじあやまちしないで 暮してほしい今にしてみて貴方の 良さを思うの なにかみたいに煙草を のみ過ぎないでいつも夜更かししてたの 直したかしらそして愛したら 今度こそは離さずにどなたかがいないと 駄目なんだものそして私もしあわせ 見つけるつもり愛の涙はあの日で …

  • 風が吹く道 – 伊東ゆかり

    ある日 振りかえる足早に 通りすぎた道をある日 思い出すあの人の優しい胸をもう一度もどりたい お河童頭の私にお祭りに 着飾って声かけられたあの頃にもどりたいけど この道は この道はいつも風が吹くばかり ある日 振りかえる花が散る冬の気配知ってある日 思い出す柿の木の 赤い屋根をあの人は 幸せか今でも小鳥が好きなの月の夜 あぜ道で手をにぎられたあの頃にもどりたいけど この道は この道はいつも風が吹く…

  • 星空の浜辺 – 伊東ゆかり

    心のおく人は誰れも 浜辺をもっているひたひたよせ返す波を 愛のさざ波という 夜更けの貝のように 星空見上げてさびしくないとつよがれば 流れ星涙さそうあなたが満ちてくるの 私の浜辺にいつかみたいにそい寝して 子守唄聞かせて 心のおく人は誰れも 浜辺をもっている目をとじると見える風を 愛の潮風という かもめの背中にのって むかえに行きたい逢いたさ見たさつのらせる三日月が何故かにくい二人がかもめならば …

  • 悲しみの出発 – 伊東ゆかり

    追わないで追わないで 逆もどりさせないで私に自由をあたえてほしいのあなたと別れたあとでしみじみ私は涙をながすでしょう悲しみの季節の 空をとんでみたいの群からはなれた鳥のようにさまよいつかれはててなにかしらつかみたいの出てゆく私をうしろから止めないで 止めないで あなたを愛していたわ本当よ私は幸せだったはずさようならあなたに うしろ髪をひかれる私の背中を押してほしいさようなら私は 泣きはしない泣かな…

  • 逢いびき – 伊東ゆかり

    二人の行き場はどこにもないのどこにもかくれる場所さえないの噂をおそれ 人目をさけてあなたと私が逢うのはもう止しましょう愛してはいけない 愛されてもいけないの抱き合えば抱き合うほど悲しみがふかまるなのに私 あともどり出来ない 二人でいる時感じるものはそれでも小さな幸せかしら罪のにおいに 酔いしれながらあなたと私が逢うのはもう止しましょう愛してはいけない愛さずにはいられないふれあえばふれあうほど傷口が…

  • かわいた女に雨が降る – 伊東ゆかり

    ララ‥‥ かわいた女に雨がふる今日も一日暮れましたいそがしそうに暮れましたかなしい事など想わずに時間が過ぎたら幸せとそんなこんなで暮れました夕暮れ雨がふってますララ‥‥ かわいた女に雨がふる 明日を想えばいやですねこれから一人もいやですね夜の永さを想わずに 時間が過ぎたら幸せと女同士で飲みますか 相合がさがにくらしいララ‥‥ かわいた女に雨がふる 昔を想えば泣けますね将来なんかも泣けますね年の事な…

  • お帰りなさい – 伊東ゆかり

    今は何もたずねないわ たった一言「お帰りなさい」いうだけ変わらないわ あなたの顔はそれだけでうれしい 私のあなたしばらくやすんで 待っててねお酒の仕度だけ すませるわ少しはうらみも あったけどいいの 帰ってくれたら 忘れないで帰ってくれた それだけでいい「お帰りなさい」心からばかなひとね おみやげなんか買って来て ほんとに困ったひとね今夜は私も いただくわお酒も少しだけ 飲めるのよひとりでいるのは…

  • プレイボーイ・マガジン – 伊東ゆかり

    あなたは安手のトレンチ・コートボガードみたいにはおって消えた私のソファーに残したものは烟草(タバコ)の煙と旧(フル)雑誌だけHah Hah Hahプレイボーイ・マガジンHah Hah Hahプレイボーイ・マガジン愛を破いて捨てて行く人ピンナップでもはがすみたいにああ つめたいわ夢に遊ばれつめたいわ言葉にふられてああ また独りでジン・ライム飲んで泣いてる あなたの走らす車を追いかけ小雨に打たれてヒー…

  • わかれ雪 – 伊東ゆかり

    そんな予感がして 窓をあけたら雪がふっていたわあなたはきっと 来ないでしょうすべて季節の せいにしてすべてを雪の せいにして‥‥私たち もう終わりみたいね あれはまぼろしなの 吹雪の中でつよくだきしめて寒くないかと くちづけたこころをとかす ささやきをわたしの耳に くりかえす‥‥あんなにも あなたやさしかったわ あまい思い出だけ たどっていたら雪はやんでいたわとおくでひとつ またひとつ灯りが消えて…

  • ふぁど(Fado) – 伊東ゆかり

    秋風が笛を吹くと女がセーターを着るやめていた煙草を一本二本と喫う 黄昏が酒をくむと女が靴下をぬぐ行き過ぎた男を指おり数えてみる 人生はいつも哀しいファドばかり波音をまじえて聴こえて来る Lai Lai Lai海よ 鴎よ 運命よ酒よ ナイフよ 花束よ人生は哀しいファドばかりLai Lai Lai…… 海鳴りが耳を噛むと女が寝返りを打つはじかれた小猫が窓辺であくびをする ともしびが花になると女が口紅を…

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