五輪真弓
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青色の雨 – 五輪真弓
あなたに会えない 真夜中は雨うちしずむときの 珈琲のやすらぎ知らないうちに 昔をおもいだせば白い湯気のなかに あわい虹がかかっていた窓をぬらすのは 青色の雨静かにきこえてくる 幼い二人のうた ほこりにまみれた 鏡のかおに指でかいてみた 道化者の鼻を知らないうちに いたずらも忘れてためらいのなかに 夢をえがいていた 今もわたしの胸に 泉がわくようにあの日の二人の声が 飛びかうかもめにのって空に拡がる…
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清い流れのように – 五輪真弓
Mon amour est comme une eau qui coule claireQui t’apporte la montagne et la foretToi qui n’as pas de maison et pas de terreMon amour te fera roi dans son palais Mon amour est un grand jard…
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時は過ぎて – 五輪真弓
誰もじゃまはしない あなたの泣き場所に人はいつかひとり 旅するから風が吹いてゆくよ ほほを赤く染めてそれは寒さという 恋ごころ いだきあい 笑いあいうつむきあった 時は過ぎて遠くから見送った 後ろ姿は愛 きっとなつかしくて あなたにあいたくて胸に思い出が 息づいても今は追いかけない 夢を追いかけない朝(あした)めざめれば かげぼうし 愛してた 愛してる傷つけあった 若い日々よまた会える 時を待つ今…
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ラブリーディ – 五輪真弓
こもれ陽ゆれる 並木道雨あがりの午後すぼめた傘はあそばせてあなたと歩くの小鳥がさえずり私に歌いかける オオ ラブリーディさわやかな日だね君はかがやいてるオオ ラブリーディしあわせそうだね彼を愛しているんだね 青い芽をふく 街路樹を見ているあなたに愛してると言わせたい私はロマンティックそよ風が吹いて私にささやきかける オオ ラブリーディ春はいいものさ恋をすればなおさらオオ ラブリーディきっとしあわせ…
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星の子供たち – 五輪真弓
たとえそれが はるか昔の話でもあなたは 私にかがやく星 闇にかくれたこの涙を 光に 変えてくれる スターズ 何度か たよりなくくじけそうなそんな時 いつも あなたがいたスターズ 変わらぬ やさしさをうるませてすべてのものに 愛をなげかける 連れていって 遠い昔に 夢見てたあなたの世界にとき放して 希望に満ちたこの心のつばさで 空を飛ぶよ スターズ 命は ひとつずつ生まれたよそれぞれの 母という星に…
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約束 – 五輪真弓
何を信じた理由(わけ)もなくわたしはあなたを愛したのだから今さら 別れ際責めるものなどないわ男と女にさだめられた約束終わった恋に笑って交わすグラスさらりと飲みほす 涙の酒は二度と会えない人の味がする 優しい肌のぬくもりが未練心を誘うのよだけど今さら 愛しているとあなたに抱かれりゃ つらいだけ男と女にさだめられた約束燃え尽きた火は甦らないものねさらりと飲みほす 涙の酒は命を燃やした人の味がする 二人…
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時をみつめて – 五輪真弓
時をみつめて ひとり歩き今にも涸れてしまいそうな都会のみずうみのうえをはだしであるこうあなたは思うままに舟をだして あとからくればいい くればいい どんなに霧がたちこめても心をむすびあうよろこびのつなをたどりながら 時をみつめて ひとり舞台悲しげにうつむいているような都会のみずうみのうえをはだしでおどろうあなたは力まかせにかじをひいて 想いをおしだせばいい どんなに波がざわめいても心にからみつくた…
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Try To Remember – 五輪真弓
思い出して あの九月木の葉の 語らいを思い出して あの季節海辺の 波音を何もかも 新しくて目の覚めるような 出会いを思い出して もういちど 今 思い出して あの九月二人が 手をつなぎ思い出して あの頃をやさしく 時は過ぎ何もかも 愛おしくてなつかしさに ときめいた思い出して もういちど 今 思い出して 十二月暖炉の ぬくもりを思い出して 窓辺に積もった 白雪を何もかも 急ぐように移り変わる 街角で…
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春ごころ – 五輪真弓
青い芽をふいた小枝が風にゆれて乙女達は胸のふくらみはじらうような白いブラウス春 めざめる時なの男達の夢見心誘惑している ときめく女達あなた 私だけを見つめてそして 肩を抱いてほしい 恋人がいても何故かさみしい美しく鳴くかごの鳥も大空の雲をうらやむの春 心が揺れるわあなたのその口づけだけ甘い切なさに 私は酔えるのよあなた さよならはあとにして今は そっと抱いてほしい 春 めざめる時なの男達の夢見心誘…
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わたしの気持も知らないで – 五輪真弓
恋にとまどう女はきれいだと煙草をくゆらせながらあなたはそう言う髪がほつれたその分 待ったのよ疲れて言うのじゃないけどあなたにはそう見えるのね 私の気持ちも知らないで 憎いことを言うのね私がすべてを許せるほど 好きだとさえも 夢をためらう男は悲しいとグラスをかたむけながら私を見つめるそれはしあわせ それともふしあわせか誰も答えを知らず そのまま過ぎてゆく 私の気持ちも知らないで 憎いことを言うのね私…