二見颯一

  • 一里塚 – 二見颯一

    天に届けと この手をのばし夢のしっぽを 掴むのさ故郷(ふるさと)出てから はや幾年(いくとせ)か旅はまだまだ 一里塚…おっと弱音は やめときなわき目ふらずに 明日へ進め すがるあの娘に 背中を向けた胸のつらさを 誰が知ろ面影こころに 宿したままで旅はまだまだ 一里塚…おっと未練は やめときな俺を忘れて 幸せ探せ 空を染めてる 真っ赤な夕日俺の闘志が また燃えるおふくろすまない 待ってておくれ旅はま…

  • さよならの街角 – 二見颯一

    小さな窓辺で 愛を育てたのつらいお別れ 思いもせずに重荷でしたね わたしの気持ちあなただけよと 尽くすほどアデュー アデュー さよならの街角 ときめく恋など もういらないのあなたわたしの やすらぎでした忘れられない 素顔のままで肩に甘えた ぬくもりをアデュー アデュー さよならの街角 泣かない約束 交わすこの指で涙拭くたび いい聞かせるのあなた以上に 愛せる人ときっといつかは 出逢えるわアデュー …

  • 秋時雨 – 二見颯一

    雨の降る夜(よ)は 寂しくて今もあなたを 思い出すひとりつぎ足す ぐい呑みに浮かぶ面影 百箇日(ひゃっかにち)呑めば窓には 秋時雨あなたが帰って 来たようでとうに遠くへ 逝ったけど誰より近くに いるようで 白い花瓶の 向こう側今日もあなたは 笑ってる過ぎた季節は 走馬灯思い出させる 膝枕酔えば心に 秋時雨空から俺だけ 見ててくれ弱い男と 向こうから叱ってほしい 夜更け頃 胸に沁みこむ 秋時雨あなた…

  • 青空みたいな男です – 二見颯一

    つらい涙も 笑顔にかえていつも心は 日本晴れ声もしぐさも くちびるもみんな好きだよ 可愛いよきみにぞっこん 惚れました青空みたいな 男です 時の流れは 雲より疾(はや)い今日を大事に 生きたいねカッコつけずに 俺らしく燃える想いは いつまでもきみにぞっこん 惚れました青空みたいな 男です 愛のことばを 弾ませながら歌で春風 とどけるよきみが小鳥(とり)なら 俺は空夢よ羽ばたけ この胸できみにぞっこ…

  • 罪の恋 – 二見颯一

    心ひとつに 愛してもこの手に奪えぬ 他人(ひと)の花あなた あなた あなたは 年上の女(ひと)いけないわ いけないわ逢えばひととき 抱き寄せる甘い香りの あゝ罪の恋 会いたかったと 囁(ささや)けばうなずく瞳(ひとみ)の 愛(いと)おしさあなた あなた あなたは 年上の女いけないわ いけないわつらい噂に ならぬよに逢瀬(おうせ)重ねる あゝ罪の恋 罰を受けても かまわない離れはできない 愚かさよあ…

  • ふるさと暮色 – 二見颯一

    夕焼けトンビが ピーヒョロロあの娘が摘(つ)んだ 野菊の花を辻の地蔵に 供えて祈るうなじの白さが まぶしくてあれが恋とも 知らないで…思い出暮れなずむ ふるさと暮色 林檎の花びら ハラハラリ今でも浮かぶ 田毎(たごと)の月よ細いあぜ道 ふたりで歩き別れがつらいと 気づいた日あれが恋とも 知らないで…思い出暮れなずむ ふるさと暮色 祭りの太鼓が ドンドコドン夕闇せまる 鎮守の森で浴衣姿の あの娘を見…

  • 君恋列車 – 二見颯一

    あの日別れた 小雪のホーム今日は小雨が 見送(おく)ってくれるひとりで残され 初めて知った心の隙間は 埋まらない走れ 走れ 走れ…君恋列車君のふるさと 青森行きの 胸のポケット 潜(ひそ)めた指輪そっとさわれば 勇気をくれる冷たい噂に 泣いてた君を命を懸けても 守りたい走れ 走れ 走れ…君恋列車次駅(つぎ)は盛岡 面影乗せて 二度とこの愛 離しはしない夢を探そう ふたりの夢を別れのつらさに 背中を…

  • 長崎の夜 – 二見颯一

    愛しながらも 別れたひとを思い出させる 夜(よる)もあるけむる小雨の 思案橋忘れきれない 女がひとり滲むネオンの あぁ 長崎の夜 人目偲んだ オランダ坂をそぞろ歩けば 夜(よ)が更けるポツリ灯した 恋あかり浮世(かぜ)に吹かれりゃ なおさら燃えて夢も儚い あぁ 長崎の夜 薄いビードロ 南蛮硝子(なんばんがらす)割れりゃ淋しい うす縁(えにし)何を祈ろうか 天主堂どうせ添えない 悲しい運命(さだめ)…

  • 0時の終列車 – 二見颯一

    見送らないでと 君は言ったけどやっぱりもう一度 逢いたくて…雪のベンチで ふるえる肩を抱いたぬくもり 忘れない恋が行く 恋が行く 儚(はかな)い恋が行く午前0時の 終列車 戻って来るかと 聞けば涙ぐむあなたの幸せ 探してと…君の瞳に さよならなんて言えるものかよ つらすぎるベルが鳴る ベルが鳴る 別離(わかれ)のベルが鳴る午前0時の 終列車 車窓(まど)の灯りが 雪に消えてゆくプラットホームに ひ…

  • 木曽の峠 – 二見颯一

    木曽の峠は やまびこ峠夢を追いかけ 旅立つ背(せな)に励ます親父(おやじ)の 声がする山の仕事の 苦労はいつも御岳(おんたけ)さんが 御岳さんが 見てござる 木曽の峠は 見返り峠今日はおふくろ 手を振りながら何度も振り向き 越えるみち山の暮らしで 白髪(しらが)も増えた御岳さんも 御岳さんも 雪帽子 木曽の峠は やまびこ峠山のカケスが 啼き啼き帰りゃ炭焼く煙が 目に沁みる親父おふくろ 無事だけ祈り…

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