中田久美

  • 百人の男 – 中田久美

    百人の男の 優しい腕よりもあんたの冷たさが ただ恋しいときもある一緒に死のうかと 馬鹿な気まぐれ言葉あそびでも酔えれば 酔えればいいわ別離(わかれ)が音もなく しのびこむ夜はあゝ 夜明けも早いのよ 優しく抱くよりも 両手をつかんで昨夜(ゆうべ)は誰といた なにしてたと聞かれたいからだよせあって はなればなれの夢を追うなんて耐えられ 耐えられないわかわいた砂のうえ 愛のかけらでもあゝ 見つけてなぞり…

  • 罪な女と言われても – 中田久美

    さよならなんて あなたが言えばいい私は振られた 女で構わない恋の終わりは いつだってきれい事では 済まないわここは黄昏(たそがれ) カフェテラス罪な女と 言われても未練がありそな 振りをして思い出飲み干す 冷めたカプチーノ 潮時なんて 淋しい言葉だわ一度は誰より 愛したひとなのに…きっと男の プライドで去って行くのね あなたからふたり出逢った カフェテラス罪な女と 言われても最後の舞台に 選んだの…

  • 夜明け前に – 中田久美

    夢を見ながら 眠っていてね止めてきました 目覚まし時計愛のなごりの ぬくもり抱いて始発電車に 揺られています心まで奪われて しまったら一時(ひととき)も離れては 暮らせないあなたが怖い やさしさが怖いのよだから夜明け前に 身を引くわ 濡れたまつげに 灯りがにじむ空は白々(しらじら) もうすぐ明けるどうぞ忘れて 昨夜(ゆうべ)のことは帰るところが あるのよ二人秘密ならこの胸に 隠せても恋しさは止(と…

  • ミッドナイト赤坂 – 中田久美

    硝子に弾けるライト酔わせるロックのリズム地下のホールが懐かしい疲れを知らないアイツ一緒にセクシーダンス今は昔のことだけど…… ホテルの窓辺で おもいでに浸(ひた)るビルの上に浮かんだ満月 きれいねあの頃は気づかずに 過ごしていたわ溜息で暮れてゆく ミッドナイトミッドナイト赤坂 誰もが誘いをかけるジェラシー尽きないアイツ現代(いま)で云うならイケメンねおもかげ偲べばチクリ心に痛みが走る恋に私は燃えて…

  • 雨のヨコハマ – 中田久美

    帰さない 帰したくない あなた時間など 気にせずに グラス空けてよ街の灯り濡らし 降りしきる遣らず雨 雨のヨコハマ恋人の夜は 夜はこれから ヨコハマ 淋しいの 淋しがりなの わたし夜明けまで 側にいて 甘えさせてよ窓の硝子濡らし 降りしきる恵みの雨 雨のヨコハマしのび逢う夜は 夜はみじかい ヨコハマ 離れない 離れたくない ふたり幸せの 楽園に 連れて行ってよ熱い心濡らし 降りしきる情け雨 雨のヨ…

  • わるいやつ – 中田久美

    お酒飲まなきゃ 眠れないこんな私に 誰がした酔いどれつぶやく 恨みの言葉おまえが最後の 女だなんてやさしく抱き寄せ その気にさせたわるいやつだよ にくいひと心の真ん中 火をつけて逢いにも来ない… あんな男は 忘れろとすれた夜風が ささやけばすぐには無理だと 未練がぐずる遊びに慣れてる 素振りはしても惚れたら一筋 陰でも尽すわるいやつだよ にくいひと冷たいベッドで まるまれば恋しさつのる… 夜があん…

  • 薔薇の伝説 – 中田久美

    恋する度に 綺麗になるとそんな伝説(はなし)は みんな嘘口紅の色 変えてみたって男の心は 掴(つか)めない泣き顔の なみだ花薔薇の花には なれないけれどひとり咲き 傷ついてひとり咲き くやし泣きあきらめ上手に なっただけ 涙の破片(かけら) 置きざりにして他の誰かと 夜逃げなら悲しい女 演じるだけの三文芝居の ふられ役街角の 小雀は白い鳩には なれないけれど青空に 傷ついて青空に くやし泣き想い出…

  • ひとり円舞曲 – 中田久美

    さよならも 言わないでとつぜんに 旅立ったあなた黒い着物で泣き明かし 涙も涸(か)れました春が来て 今日はあなたの誕生日シャンパンの グラスを空(あ)けてほろ酔い踊りましょう ランラーンラランおもかげ浮かべて ひとり円舞曲(ワルツ)を ただいまと ドアが開(あ)くおかえりと 出迎えるわたしそんな幸せとこしえに 続くと信じてたささやかな 愛のしるしのプレゼントおもいでの 歌など流し笑顔で踊りましょう…

  • 哀愁の妙義湖 – 中田久美

    初めてあの娘と 逢ったのは妙義(みょうぎ)登山の 帰り道藍のみずうみ もみじの紅(べに)に思い出すのさ 泣きぼくろああ 哀愁の 妙義湖よ 好きなの夜霧の 横川(よこかわ)へ連れて行ってと 言ったのに碓氷(うすい)峠に 車をとめりゃ遠いあの日を さざ波がああ 哀愁の 妙義湖よ 忘れるつもりで 来たけれど浮かぶ面影 山の宿なぜに松井田(まついだ) 切ない胸を覗(のぞ)く冷たい 街あかりああ 哀愁の 妙…

  • 港町マンボ – 中田久美

    つめたい潮風 溜息つけば夜霧と一緒に おもかげ揺れるぬくもり偲んで 立待岬(たちまちみさき)うわさを手さぐり 青柳町(あおやぎちょう)はこだて はこだて 港町マンボどこにあのひと かくれんぼ逢わせてください もういちど ふたりをやさしく 迎えてくれたホテルの灯(あか)りも にじんでいるわみれんに寄り添い 海岸通りさみしさ引きずり 本牧(ほんもく)へよこはま よこはま 港町マンボここに来るたび 泣け…

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