中嶋美保

  • 他人の背中 – 中嶋美保

    あなたの背中に 他人が見える冷めてしまった こころが透ける二年たらずの 恋ぐらしこんな夜更けに ドアをあけ私を置いて どこへ行くのあなたの背中は あなたの背中は 他人顔 幸せあげると 誓ってくれたあれは気ままな 戯れ言ですか嘘で固めた 恋ばなし寒いベッドの 片隅で合鍵ひとつ 悲しいわも一度背中に も一度背中に 縋りたい あなたの為なら 自分を捨ててついて行けると 思っていたわ二年たらずの 恋ぐらし…

  • 風鈴哀歌 – 中嶋美保

    忘れ風鈴が 泣いている秋の夜寒の 風の中錆つき汚れて 見すてられ辛くはないのか こんな夜ちりりん ちりりん せつないよあんたと良く似た 女が…ここに… 強い寝酒を あおる度募る愛しさ 増す憎さ忘れたつもりの 男なのになんで手を振る 夢ン中ちりりん ちりりん あいたいよグラスの氷が こわれて…鳴いた… 忘れ風鈴の ため息が荒れた心に 沁みるのよどうでもいいよな この人生今更 惜しくは ないけれどちり…

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