世田谷ピンポンズ

晦日 – 世田谷ピンポンズ

あの人が書いた小説を読んで 四十度くらいのぬるま湯に浸かる
雪は明け方ごろ降るらしい
何処までも広がる群青の夜だ 生きているものの何ひとつないような夜
遠く山の稜線がひとつになって溶けてゆく
お蕎麦に入った柚子のかけらを お箸でそっとよけながら
防災放送が晦日を告げた
何処までも広がる群青の海だ 遮るものの何ひとつないような海
遥か遠くの街で花火がひとつだけ上がった
何処までも広がる群青の夜だ 生きているものの何ひとつないような夜
下を向いたまま 降りてくるメロディに気づかないふりをして
薬缶がシューシュー鳴いている

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トロワ・シャンブル – 世田谷ピンポンズ

Y字路を先に行ったら階段を上る階段を上ったら奥のドアへ入るクラシック ジャズ 燻らす煙いつもの店のいつもの私の席は何処?苦い味の珈琲 一口飲んで魂も飛び出しそう

純喫茶ルンバ – 世田谷ピンポンズ

珈琲飲んで 文庫本広げて 革張りの素敵な椅子洒落たミュージック 背中に感じて 私だけの素敵な時間サンドイッチ フルーツパフェ クリームソーダあないとしや あない

カーニヴァルの晩 – 世田谷ピンポンズ

祭囃子の喧騒の外 二人連れ立って何処までも歩いていけそうな そんな夜だったあなたお道化て 口笛吹いて 懐かしいあのメロディ甘い甘い花の香り 木々のさざめき再見!

すみちゃん – 世田谷ピンポンズ

ドーナツ型の雲 カラフルな雲が五つ度の強い大きなウェリントン 風に揺れるボブカットすみちゃん すみちゃん すみちゃん 都会で暮らしてるレコード回して踊ろうよ く

大陸 – 世田谷ピンポンズ

イヤフォンなんて外してよ スマホなんか見てないであなた見てなかったでしょう 今日の私のイヤリング膨らんだ恋心 まるで赤い風船ね弾けて飛んでしまわぬよう ちゃんと

ハイライト – 世田谷ピンポンズ

雨の日の静かな喫茶店 吸い込まれるように角の席テーブルがひとつ 椅子がふたつ 向かい合ってね人生に程遠いところから人生を眺めてあれは僕の生まれて初めての後悔珈琲

回転展望台 – 世田谷ピンポンズ

ねぇ あなた見えるかしら?見渡す限りのFUTURE CITYねぇ あなた見えるかしら?煤けてもう動かないあのモノレール変わっていく 嫌!変わらないで移ろいながら

喫茶ボンボン – 世田谷ピンポンズ

喫茶ボンボン 珈琲苦い苦い 苦い苦いは皆栄養喫茶ボンボン ケーキ甘い甘い 甘い甘いは俺の考え方喫茶ボンボン 珈琲苦い苦い 苦い苦いで暮れゆく人生喫茶ボンボン ケ

翡翠にて – 世田谷ピンポンズ

甘ったるいアイス珈琲 氷溶けてTIME UPだね気だるい午後の風 ひらひら搖れる青い花甘ったるい夢の日々 パチンと弾けてTIME UPだねSWEETな風 軽やか

ピース – 世田谷ピンポンズ

ブレンド珈琲片手にぶら下げて ベレー帽のあなたが座ってるのべつまくなし通り過ぎる人の群れに目もくれずにあなたが座ってるブレンド珈琲片手にぶら下げて 雨が降っても

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