一条貫太
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海の匂いのお母さん – 一条貫太
海の匂いが しみこんだ太い毛糸の チャンチャンコ背なかをまるめて カキを打つ母さん 母さん お元気ですか案じております 兄貴とふたり 海が時化(しけ)れば 時化るほどカキはおいしく なるという母さん あなたの口癖が土鍋を囲めば きこえてきますやさしい笑顔が 浮かんできます 遠く離れた 子供らに海の匂いを くれた母わたしは 手紙が下手じゃけと母さん 母さん 黙っていても伝わりますとも あなたのこころ…
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徒然酒 – 一条貫太
腕をはなせよ 夜半(よわ)しぐれ路地の酒場で 雨やどり独りしみじみ 酒のむ時ゃよなぜか故郷が しのびこむ徒然(つれづれ)に… 徒然なるままに遠いあの娘が 浮かぶ夜 無理をするなよ おまえには帰るふるさと あるんだよ肩をたたいて 別れた時ゃよ俺を泣かせる 友がいた徒然に… 徒然なるままにやけに塩(しょ)っぱい ひと夜洒 赤いちょうちん 母ちゃんにどこか似ている 雨ン中石につまづき 転んだ時ゃよ母に会…
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男の漁場 – 一条貫太
ザンザ ザンザと 飛沫(しぶき)を浴びて波を蹴散らす 夜明けの 一番船だ陸(おか)じゃ仏の 師匠(おやじ)でも船に乗ったら 鬼となる海はヨ 海はヨ 海は魔物さ 暴れぐせ男の漁場は あぁー 喧嘩場だ 逃げた獲物は この次きっと夢と一緒に 丸ごと 釣り上げてやる好きなあの娘(こ)の この写真俺の女神さ お守りさ海はヨ 海はヨ 海が凪なら 揺りかごさ男の漁場は あぁー 気まぐれだ 顔(つら)は潮焼け 髭…
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新聞少年 – 一条貫太
僕のアダナを 知ってるかい朝刊太郎と 云うんだぜ新聞くばって もう三月雨や嵐にゃ 慣れたけどやっぱり夜明けは 眠たいなア 今朝も出がけに 母さんが苦労をかけると 泣いたっけ病気でやつれた 横顔を思い出すたび この胸に小ちゃな闘志を 燃やすんだ たとえ父さん いなくてもひがみはしないさ 負けないさ新聞配達 つらいけどきっといつかは この腕でつかんでみせるよ でかい夢 人気の新着歌詞 やんちゃ船 …
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回転禁止の青春さ – 一条貫太
俺の選んだ この道が廻り道だと 云うのかい人の真似して ゆくよりかこれでいいのさ このままゆくさゴーゴーゴー レッツ ゴーゴーゴーゴーゴー レッツ ゴー回転禁止の 青春さ かわいい娘に であったらちょいとサイレン 鳴らすのさ通りすぎれば それまでさうしろなんかは ふりむかないぜゴーゴーゴー レッツ ゴーゴーゴーゴーゴー レッツ ゴー回転禁止の 青春だ 雨でスリップ するときもフルでとばせぬ ときも…
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お金をちょうだい – 一条貫太
別れる前にお金をちょうだいあなたの生活(くらし)にひびかない程度のお金で いいわそのお金でアパートを借りるのよあとはひとりでなんとかするわがまんさえすれば 生きてゆけるわひとりだって 生きてゆけるわ別れる前にお金をちょうだいその方があなただってさっぱりするでしょう しあわせだったあのころ あの日昔のあなたは貧乏でお金なんかなかったけれど清らかな愛情に満ちてたわみんな あなたにささげたけれど過ぎた日…
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星娘 – 一条貫太
星娘イエイエイ ゝ ゝ星のようなあの子輝くひとみが暗い淋しい僕の夜を照らしてくれるどんな淋しい時でもあの子に会えば僕の心はすぐにパッと明るくなるのさだけどあの娘は 星娘 イエイエイ遠い届かぬ 夜空で光るそうさあの子は 僕には遠い夜空の国の 星娘 イエイエイ 遠くにいても 近くにいてもキラリと光る あの子のひとみ横向いたあの子 下向いたあの子どっちを向いても 光るあの子の姿だからあの子は 星娘 イエ…
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なぁ親父よ – 一条貫太
誰が憎くて わが子を叱る俺を諭(さと)して げんこつ一つ痛さ怖さに 見上げれば あぁ…親父も涙を 溜めていた思い出してる 親ごころなぁ 親父よ 襟をつかまれ 裸足(はだし)のままでつまみ出された 雪降る夜更け凍(こご)え泣き泣き 詫びたっけ あぁ…あれは七つの 冬のこと時代の流れの 懐かしさなぁ 親父よ 紺の暖簾の 馴染みの酒場酒はいつもの 熱燗二合(あつかんにごう)何も語らぬ その背中 あぁ…い…
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自動車ショー歌 – 一条貫太
あの娘をペットに したくってニッサンするのは パッカード骨のずいまで シボレーであとでひじてつ クラウンさジャガジャガのむのも フォドフォドにここらで止めても いいコロナ ビュックリするほど タウナスでおまけに心臓が デボネアでおやマアキュリーな 人だことてなてなおだてに すぐルノーオペルオペルは もうお止しあんまりコルトじゃ 身がもたぬ あなたは私の ブルバードミンクス買うよの 約束をキャロルと…
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夜の銀狐 – 一条貫太
淋しくないかい うわべの恋はこころをかくして 踊っていてもソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ信じておくれよソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ愛しているのさほしくはないかい 女としての静かなしあわせ ほしくはないかい 泣きたくないかい 一人の部屋の灯りをまさぐる 夜更けの時間ソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェドレスが泣いてるソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェくちびるむなしい小さなマンション おまえのためにさ…