フナモトアユミ

  • 夜遊びパンプキン – フナモトアユミ

    かぼちゃのランプつけて とんがり帽子をかぶってあなたの家のドアを叩く赤い絨毯のうえ お菓子をばらまいてね焦げたキャラメルの甘い匂い そしてはじまる 夢の夜遊び ちゃんと鍵をかけて黒猫のあとついていこう 今夜は誰も寝かせないよ 街中ファンファーレを響かせて一年に一度 今日だけだからさ 私と一緒に遊びましょう シンデレラのようになりたい かぼちゃの馬車に乗りたい絵本のなかに入りこむの そしてはじまる …

  • 雨だれタイムマシン – フナモトアユミ

    こんな日は会いに行くよ タイムマシン乗りこなし雨音が途切れてしまう前に みっつ数えて戻るんだ あの夜に もう一度手をつなごう見上げては横顔を盗んで 閉じ込めていた 肩を 何度もぶつけては 謝るような距離で遠回りした帰り道 すこしゆっくり歩こうよ 土砂降りの雨のなか ふたりは確かに同じ傘のしたで笑って 別れを惜しんだはずなのにな なにもかも変わっていく 傘のした口ずさんだメロディも思い出せないほどに…

  • 夢みてアリス – フナモトアユミ

    まるで夢のなかにいる うさぎを追いかけて穴に落ちていった そう、アリスみたいに止まらず落ち続けている 流れに身をまかせる時計だけがチクタクと 鳴り響いていた 幸せのトランプめくって スペードのエース探してるひとすじの光を頼りに 手を伸ばしてみるんだ 涙が頬をつたう 隙間もないほど近くに感じていたいよ 人のぬくさを声にならない気持ち 気づいてくれたら言葉はなくていいから 笑ってみせてよ 庭を覗いてみ…

  • 揺らぐ – フナモトアユミ

    荒波をくぐり抜けて たどり着いた港町見知らぬ果実を かじるようになったあなたあとに続こうと私も 貝殻おいて家をでた不安がまさって あれもこれも 鞄に詰め込んだ うまく泳げない 荷が重いな 空はどこ?もがいてみてもあがれないのに なにひとつ捨てられず まるで溺れたみたいなの あなたの声が遠くなる見上げれば陽が揺らいで 未来をきれいに映した 波に飲まれてしまっても いつかは陽の目を見るよ憧れた空は遠く…

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