トーマ

  • envycat blackout – トーマ

    旧ネオン街三番通り 路地裏でその残酷で純粋な傲慢色猫のネイル媚び売った美貌で約束縛って「もう用無しだこんな未来」底尽きてバイバイ 希望なんかないって、災難だ運命を装ってキミの命を吸い取るだけペイミー!不安な人生観を札束で測るのAgain… 愛ゆえにキャットダンス Baby 愛に従順で聡明に誘えミザリィ 恋の有罪迷宮盲目こそが全てを諦める純情なアイロニー 覆うクラクション洗脳包囲 逃げな…

  • リベラバビロン – トーマ

    切り立つ繁華街 低俗な美徳簡素な未来像に原子力マーク「病気だ、狂気だ」騒ぎ立てる雑踏不都合纏め洗いざらい麻酔 権力者貪る 根刮ぎ奪ってく街娼に名誉に硬貨に喰らい毎夜毎夜 首くくり 落下目もくれず利己 自尊自尊 群集は耽美ジャンキー幻想に心奪われ乱用症田園に鉄塔が最後に見た風景目を凝らせど、ただ目を凝らせど嗚呼、お前の劣等狡猾強欲ホルマリンに浸かった心臓厭人病に握られて 連番連鎖 ドライ、ツヴァイ細…

  • 潜水艦トロイメライ – トーマ

    深度、段違いに潜りきった地図にない底にコーデュロイの海月、無色透明の寄生魚気体バルーン纏った潜水艦、進めサーチライト照らせ照らせ 岩窟の深奥層 昼も夜も鉄の中の闇夜 パイプ管の振動唯一の手記だけを頼りに沈もう使い古された合図なんて必要ない重油の匂いに塗れ降下を乱すな 水圧も静寂も目下アンダーゴウさあ文明に隠された真実論争眼前の浩々たる海底都市を… そこに愛はあった?誓いはあった?どこかで報われた?…

  • 魔法少女幸福論 – トーマ

    いつだって一人でマルベリカ大概ひと振り 退屈な奇跡だ助けのキッカケも 悪戯も何だって叶うマギスペリカ 地味だって避けられソリタリカどうして隠さなきゃって悲惨なオキテだって妄念も束縛 そんなのって!毎日、平均点はもう懲り懲りでさ テレビも週刊誌も、そう。未来、期待もゼンブ揺れるけど答えが振り向かなきゃ意味がないの今日ぐらい約束破って身勝手 変わった幸福戦 例えば一夜で世界が終わるとかちょっとした魔法…

  • サンセットバスストップ – トーマ

    半ば陽も落ちた頃 喧騒はかすか赤らんで古い歌と煤けた匂いが切なくなってイヤホンを外してすぐ 定刻にバスが停まっていつも通り一番後ろの座席に腰下ろす 目を奪った街並みが僕のものだったら焼けるような夕暮れなんかにしないだろう命の果てを知った鮮やかさなんてすぐ、怖い闇夜に盗まれる ねぇサンセットバスは何処へ向かって何処で終わるだろうってまだ薄いライトが道を照らすけど帰れなくてもいいかなって。サンセットバ…

  • 廃景に鉄塔、「千鶴」は田園にて待つ。 – トーマ

    どこかくすんだ九月の日枯れだす大気は季節を掻き毟った母胎の森はいつもより騒ぎ立てていた 教室の水槽が消え幾千の魚が海岸に打ち上がった不吉にも僕は自転車でカラスを轢いた 山小屋の羊たちの鳴き声は何処へ行ったろうかずっと長い未来から逃げ出すみたいに「ウージの眼」と呼ばれる巨大な送電塔は赤く赤く染め上がって見下ろしていた 閑静な廃景に鉄塔、田園に浸かって簡単なカメラで僕を写した唐突に視界に入った黒い制服…

  • 九龍イドラ – トーマ

    違法建築 不恰好雲間を超え生える階上密売の砦に発砲黒眼帯巻いた骸骨遺産相続 意図的な殺傷老婆小屋に迫る埋葬東洋に巣食う魔性の塔神降ろし儀式 密教新興宗教 音を立て落ちる天井木製義手 詰める薬莢未だ泣いていない赤ん坊今日だって唸って囀った残響ガネーシャ像に群がった信者墓荒らし 盗る守銭奴東洋に潜む魔性の塔此処は此処以外で有り得ない 不完全犯罪 冤罪目に余る麻薬栽培安全策 洗脳 落胆最深淵に転落させた…

  • オレンジ – トーマ

    君のいる世界で笑ったこと、君の見る未来を恨んだこと、君の声、温もり、態度、愛のすべてが… 海街、赤錆びた線路沿い二人、「幸せだ」って嘘ついてくしゃくしゃに笑う顔、繋いだ手遠くの島、朝焼け 愛しきれない君のこと、つられて泣く私も弱いこと、 代わりなんてないって、特別だって許し合えた日も もう二人に明日がないこともただ、ずっと。そう、ずっと隠してしまおう。 残される君に届く ただひとつを今でも、探して…

  • 未来少年大戦争 – トーマ

    彩るセピア 手を伸ばした騒ぐラジオノイズのような毎日も満たされないのなら今を生きる問いも無価値だ、冗談じゃない 慣れた理不尽 今日もきっと空に撒き散らされた爆弾みたいで耐え切れないのなら今もほら、一つ一つと追い出されんだ あの頃の僕たちの過ちや、祈り、期待、後悔ゼロに戻す為にやってきた明日も何十年後も何百年後も何一つ変わらないと誰からも愛されない未来からの最終警告 飽いた生存欲が未来繋ぐはずの今日…

  • クジラ病棟の或る前夜 – トーマ

    「ねえ、最後に話をしよう」灰色の管、繋がった君の口元「そうだ、少し頼りないような、君の下手な歌、好きだったよ」 煤けたカーテンに囲われ、夜中の秘密みたい。 機械に飲まれてく君の血、吐く息、心臓の音。それでも、美しいね。 意味もなく、なぞるように名前を呼び合って最後の夜の約束 車椅子の花嫁「君に愛されて生きてこれたこと、とても幸せに思うの。だから泣かないで、ねえ」 「ほら、君が好きだって言った、映画…

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