シユイ

時計のエスコート – シユイ

さよなら
響いた
今ここで始まってく

記憶の片隅で震えた
御伽話とか憧れとか
見えてたはずなんだ

ちょっと歩いて振り返って
描いた理想像は
砂浜の落書きみたいだった

いっそこんな夢なんて
嫌いになれりゃいいな
過去と未来が僕を締め付ける

動き出した時計のエスコート
大人になっていく
知ってても簡単じゃないな
終わりだって新しい扉の鍵で
さよなら
響いた
今ここで始まってく

正解や不正解は本当は無いと
飾った綺麗事は
嫌に眩しいだけのモノだった

静寂が波を引き立てる
なぞった落書きは
流されて歪んでしまったようだ

きっとこれで良いんだって
風がそっと囁いた
最初から聴こえてたその声で

胸の中空白埋めたくて
知らない言葉の継ぎ接ぎで立ってるフリをした
変わりたいの願いで糸を解いて
本当の
形で
初めてを歩き出した

ゼロがイチになって揺らいだ
靄をかきわけて行く
荒地のド真ん中じゃまだ愛せないだろうな
これからの何十年または
僕の孫やそのずっと先まで
誇れるような僕を
刻みつけるんだ

動き出した時計のエスコート
大人になっていく
知ってても簡単じゃないな
終わりだって新しい扉の鍵で
さよなら
響いた
今ここで始まってく

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