エルフリーデ

ハルユメ – エルフリーデ

始まりはいつだか 自覚症状もない
隣を歩きながら 聞き慣れた足音
帰り道 見慣れたバスが来る合図で
いつものバイバイを交わしておしまい

大仰 人の群れ 横行
繋がりたいって訳もなく
ただなんとなく 話がしたい

ひとひらの 春色の夢
同じ空に生まれて 何を見る
それぞれの道の方へ
歩き出す 知らない速度で
今が次々過去になってゆく
「大人」の意味もわからないままで

ゲームの世界みたいに続きから始めたい
幾度となく妄想した白昼夢のよう
やり直したいルートが山のように積み重なり
指の間をすり抜けて取り返せなくなる

環状みたいな ループ
感情 整理つく間もないままに
春の夜は白く明ける

教室の窓の景色や
風に乗った砂とか
上履きの匂いが仕舞われてく
笑いあったことも
泣きじゃくったことも
ハルユメのように

「楽しい」が 「楽しかった」になって
心が追いつかなくて 叫んでも
他人事のように風は吹く

離れても友達のままでしょう
思い出が過去で色褪せても ただ
交わした言葉の在り処や
忘れた気持ちの置き場が
見えない光になり 照らすように

始まりはいつだか 最後のバスが来る
いつものバイバイを交わしておしまい

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