かとうれい子

東京夜曲 – かとうれい子

花の命の 短さよ
ましてや恋の 儚なさや
幸多かれと 手を合わせ
祈りし頃も 走馬灯

熱き心は 男ゆえ
背中向けるも あなたゆえ
昭和が見える 歩道橋
わたしを置いて どこ行った

葉書一枚 何故くれぬ
待てども悲し メロドラマ
布団の中の すきま風
寝巻きも淋し 四畳半

逢いにいきたい お母様
お元気ですか お父様
結婚したと 嘘をつき
暮らすはひとり 高円寺
今でもひとり 高円寺

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風鈴 – かとうれい子

季節はずれに チリチリと風に吹かれて 鳴る風鈴高層ビルに囲まれた路地ここはあの日のままですね時代の流れに 乗らなくたってあなたはあなた そのままでいて手の平にの

純情 – かとうれい子

ときめいて 花も嵐も越えて駆け抜けた 三年の年月(としつき)差し出した手には あなたのぬくもり燃え盛る 想いは一途片時も離れない 離さない夏が往き また秋が巡り

花いかだ – かとうれい子

石の上に 花は咲きますか水の上を 歩けますか無理を通して 世の中を生きてどうするつもりです行きなさい 振り向かないで行きなさい 今更止めても聞かぬ人私の代わりに

絵はがき – かとうれい子

青い空の贈りものそれは心の宝石透み切った あの色はあなたへの絵はがき澄んだ川の贈りものそれは心のほほえみ清らかな 音がするあなたへの絵はがきお元気ですか どうし

100年後僕らは…大洲より – かとうれい子

100年後僕らは 生まれ変わるだろうかもしも鳥になったら つばさ広げ思い出を巡ってみたい100年後僕らは 生まれ変わるだろうかもしも魚になったら 光はねる肱川(

ありふれた一日 – かとうれい子

ありふれた一日が ここにありますきっと明日も幸せで ありますように歩き慣れた道なのに 街路樹のけやきも不思議な程いつもより 違って見えるそばにあなたがいるから 

人明かり – かとうれい子

雨が上がり 虹の橋が青い空に かかってる同じ風に 吹かれながら寄り添える喜びあなたに会えてよかったと微笑(ほほえ)みあう幸せ心と心しっかり結んで人明かりで包もう

人恋染めし – かとうれい子

春は桜の 花に酔い手鏡のぞき 紅を引く愛しきひとよ 今もなお焦がれてやまぬ この思い人恋染めし 風が啼(な)く夏は祭りの 人の波日傘で隠す 切なさよ音沙汰(おと

こころ – かとうれい子

あなたのいない この部屋はまるで冬の ようですふたりで重ねた年月が凍えているようでこころに 形はありますかこころが あなたに見えますかおもいでが 悲しむからどう

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