高田みち子
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溜め息 – 高田みち子
誰かのための孤独ならもう 嘘はつけない誤魔化し消せない 心この腕をあなたへと伸ばす このまま 揺れながら揺れて 愛しさに誰もいない 夜の向こうへあなたを閉じこめていたい こんな気配幾度も 諦めてきたけどあなたが 最後の罪になると 『愛してる』なんて言えない言葉で なぞるほど色褪せてゆくだけ このまま 揺れながら揺れて あなたへと過去もすべて 優しいはずよ悲しみが見えなくなるまで このまま 揺れなが…
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初秋 – 高田みち子
悲しみ電車に揺られてひとつめの駅は明るい日差しの中に君がいた 僕の姿を見つけたら穏やかな微笑みで窓越しに優しく手を振った 悲しみ電車に揺られてふたつめの駅であの頃の 懐かしい歌が流れていた 淡い夢ごと 青春は振り返るたび 遠ざかる あの日の僕を見かけたよ夕暮れの駅ですれ違い肩越しに希望の風が 吹いていた 悲しみ電車に揺られて面影は遠く空っぽの 手のひら見つめ涙ぐむ 変わり続ける毎日にこの胸の奥 軋…
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51st Street, Lexington Avenue – 高田みち子
レールの軋みが曲線になって 叫ぶ揺られてるのは みんな同じ 地球の片隅 忙しな街ブーツの踵 鳴らして歩こう 往き交う人の上に 天使を見た今日も 誰かを想って暮らすそんな心を 見透かしている 本当は はずかしがりわかってるよ 照れ隠し 三丁目 たまにはここで降りてみるのもいい懐かしい裏通りで 逢おう 並んだ肩 黄昏のこぼれた窓今日を どこかへ 見送りながら広がりながら 昨日 風になった 悲しみも明日…
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春を待ってる – 高田みち子
僕らはゆこう あてのない旅いつかだれかが 歩いた上を乾いた土に 雨は染み渡る 僕らはゆこう 果てしない旅あなたに笑顔が 戻るまで夜をめくれば 新しい朝 Hmm…愛する人は 遠くへHmm… 心を風が運んでゆくだろう 僕らはゆこう あてのない旅いつかれかが 歩いた上を流れる雲に 誘われるまま Hmm…愛する日々よ 遠くへHmm… 心をまた紡いでゆけるだろう 僕らはゆこう あてのない旅ずっとずっとずっと…
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カナリア – 高田みち子
夢の中で 憂う鳥は心を潤ませる 遠くへいった だれかのもとへ切なく 優しく 飛んでゆけ 夢の中で 歌う鳥は心を震わせる 悲しみ 傷つき 愛の行方をどこまでも 追いかけて 雲の上 危なげな呼吸でも色褪せた 景色の中あなたを想いながら 飛んでゆく 夢の中で 告げる鳥は心を響かせる 見えない糸 手操り寄せながら飛んでゆく飛んでゆく いつか最後の声まで 失ってもすべてがたとえ 幻でも あなたを想いながら飛…
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Your God – 高田みち子
空が白んでゆくまだ辺りには 冷たさが沈んでいる錆びた自転車が土に埋もれたまま こんな街じゃ何も生まれない しらけている見て見ぬフリをしている知らなくていいことの謎解きばかりしている こんな街じゃ何も生まれない 耳に覚えた歌を口ずさんで噛みしめる 誰の記憶にも残らずにひとりぼっち取り残されてそうやって年をとってゆく あたしが探しだせなかったものをきっと誰かが見つけるんだろう 目をつぶっていても闇は通…
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Night buzz – 高田みち子
このまま この場所で二度と戻らない 二人を見送っていいでしょう涙がずっと 止まらないわ想い出はやがて 色褪せる 騒いでた街も今は眠り人を誘う凍えた星を 映しだす 静けさが耳を衝くまだずっとここに居よう見下ろす 樅の木の灯り 懐かしい笑い声二度と戻らない 憧れ大人になったのに幸せかなんて わからないわ想い出はいつも 優しいだけ 足跡 銀の闇へ冷たい雪が 軋む蘇る あなたへの想い このまま この場所に…
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雨は優しく – 高田みち子
このまま誰にも気付かれることもなく頬に落ちてきた最初の一粒 ずっと閉じていた僕の記憶に今日は 染み込んで痛いよ 想い出になったのに霞む街の景色に今 あなたの気配が響くのは 雨…. 雨のせいだねどこまでも 僕の胸を締めつける雨…. 雨はあなたの余韻をいつも連れてくる どうして 僕らは諦めたんだろうどうして 怯えて手放したんだろう たとえば もう一度抱きしめてくれるなら僕は そ…
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The Tracks Of My Tears – 高田みち子
People say I’m the life of the party‘Cause I tell a joke or twoAlthough I may be laughin’ loud and heartyDeep inside I’m blue So take a good look at my faceYou’ll know my…
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夕暮れと嘘 – 高田みち子
彼女が あなたの髪をなでるあたしは急いで 空に目を遣るいけないこと だと知りながらあなたばかりを 逐ってる 無邪気に はしゃいで過ごすほどひとりになる夜が 怖い押し殺した 胸の内側にあなたが また 微笑いにくる 見破らないでいて気付かないでいてあふれそうなあたしを見抜いてしまっても最後まで 知らんぷりしてね 弱いから また 強がるのよはじめから無力な 恋ゆっくりと 賑やかな街をぬってあたしは あた…