百瀬まなみ

  • カナリア諸島 – 百瀬まなみ

    薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべて海に向いたテラスでペンだけ滑らす 夏の影が砂浜を急ぎ足に横切ると生きる事も爽やかに視えてくるから不思議だ カナリア・アイランドカナリア・アイランド風も動かない 時はまるで銀紙の海の上で溶け出しぼくは自分が誰かも忘れてしまうよ 防波堤の縁取りに流れてきた心は終着の駅に似てふと言葉さえ失くした カナリア・アイランドカナリア・アイランド風も動かない あの焦げだし…

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