工藤静香
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Maybe – 工藤静香
Maybe 夢見れば Maybe 人生はMaybe つらい思いが多くなるけれどMaybe 夢見ずに Maybe いられないMaybe もしかしたら 雲の流れは西から東 4つの季節をつないでゆく今日も地上に吹きつける風は左から右 右から左1秒毎に気が変わる予測のつかない癇癪持ち1つのビルの角を曲がる度に意外な向きで吹きつけて来る私は唇かみしめて胸をそらして歩いてゆくなんでもないわ私は大丈夫どこにも隙…
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ほうせんか – 工藤静香
悲しいですね 人は誰にも明日 流す涙が見えません別れる人とわかっていればはじめから 寄りつきもしないのに 後姿のあの人に 優しすぎたわと ぽつり ほうせんか 私の心砕けて 砕けて 紅くなれほうせんか 空まであがれあの人に しがみつけ 悲しいですね 人はこんなにひとりで残されても 生きてます悲しいですね お酒に酔って名前 呼び違えては 叱られて 後姿のあの人に 幸せになれなんて 祈れないいつか さす…
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御機嫌如何 – 工藤静香
もしも 離れ離れになっても 変わらないとあれほど誓った 言葉が風に溶けてゆくなさけないものですね あなたを忘れました女は意外と 立ちなおれるものなのでしょう御機嫌如何ですか私は あいかわらずです泣いてる日もあります 笑う日だってあります氷の女発の 手紙をしたためますあなたも 私を もう気づかわないでいいわ そうよ日々の暮らしは 心とは別にゆく泣きすぎて 血を吐いて 喉でそれでも水を飲む人形たちのよ…
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あの娘 – 工藤静香
やさしい名前を つけたこは愛されやすいと言うけれど私を愛してもらうには百年かけても まだ早いよくある名前を つけたこは忘られづらいというけれど私を忘れてしまうには一秒かけても まだ多いゆう子あい子りょう子けい子まち子かずみひろ子まゆみ似たような名前はいくらもあるのに 私じゃ駄目ネ奇麗ね可憐ね素直ね比べりゃ あのこが天使妬いても泣いてもあのこにゃなれない 私じゃ駄目ネ あのこの名前を真似たなら私を愛…
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わかれうた – 工藤静香
途に倒れて だれかの名を呼び続けたことが ありますか人ごとに言うほど たそがれは優しい人好しじゃ ありません 別れの気分に 味を占めてあなたは 私の戸を叩いた私は別れを 忘れたくてあなたの眼を見ずに 戸を開けた わかれはいつもついて来る幸せの後ろをついて来るそれが私のクセなのかいつも目覚めれば独り あなたは愁いを身につけてうかれ街あたりで 名をあげる眠れない私は つれづれにわかれうた 今夜も 口ず…
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笑わせるじゃないか – 工藤静香
笑わせるじゃないか あたしときたらあの人がそれとなく うるさがっているのに笑わせるじゃないか あたしときたら泣きついて じゃれついて ままごと気分 「誰か教えてやれよ」 と声がする気がついているわ暗闇硝子に 映ってるものみんな わかってるわあの人が好きな 女も 笑わせるじゃないか あたしときたら泣きついてじゃれついて ままごと気分 笑わせるじゃないか あの人とあたし相性が合うなんて 占いを切り抜い…
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悪女 – 工藤静香
マリコの部屋へ 電話をかけて男と遊んでる芝居 続けてきたけれどあのこもわりと 忙しいようでそうそうつきあわせても いられない 土曜でなけりゃ 映画も早いホテルのロビーも いつまで居られるわけもない帰れるあての あなたの部屋も受話器をはずしたままね 話し中 悪女になるなら 月夜はおよしよ素直になりすぎる隠しておいた言葉が ほろりこぼれてしまう 「行かないで」悪女になるなら裸足で夜明けの 電車で泣いて…
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荒野より – 工藤静香
望みは何かと訊かれたら 君がこの星に居てくれることだ力は何かと訊かれたら 君を想えば立ち直れることだ 僕は走っているだろう 君と走っているだろうあいだにどんな距離があっても僕は笑っているだろう 君と笑っているだろうあいだにどんな時が流れても 荒野より君に告ぐ 僕の為に立ち停まるな荒野より君を呼ぶ 後悔など何もない 朝陽の昇らぬ日は来ても 君の声を疑う日はないだろう誓いは嵐にちぎれても 君の声を忘れ…
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横恋慕 – 工藤静香
わるいけど そこで眠ってるひとを起こしてほしいの 急いでるの話があるの 夜更けでごめんね 泣いててごめんねみじかい話よ すぐにすむわさよなら あなた ねてるふりで 話は聞こえてるはずよためしに彼女耳から受話器を 遠ざけてみてよ夜明けの前のバスで あなたの住む町へ着くわと告げればおどろく あなたの背中 見える うそです ごめんね じゃまして ごめんねこれっきりでよすわ 一度いうわ好きです あなた 明…
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ひとり上手 – 工藤静香
私の帰る家はあなたの声のする 街角冬の雨に 打たれてあなたの足音を さがすのよ あなたの 帰る家は私を忘れたい 街角肩を抱いているのは私と似ていない長い髪 心が街角で 泣いているひとりは キライだと すねるひとり上手と 呼ばないで心だけ 連れてゆかないで私を置いて ゆかないでひとりが好きな わけじゃないのよ 雨のように すなおにあの人と私は 流れて雨のように 愛してサヨナラの海へ 流れついた 手紙…