山根綺
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青春の始まりと悲しみ – 山根綺
大人になれない空しさにひとり泣いて止まらぬこの人生は誰のものかな日が落ちたのにも気付かずに冷たい街をただ歩いていく今夜はどこへゆこう 特別が欲しくて傷跡を隠して潜るメトロで目を閉じて夜明けを待つ 縛ってばっかな世界はもう苦しいやそうだ本当は僕を愛してみたい何者にもなれないんだって分かっているからただありのまま咲いていたいな 「自己肯定感」「自尊心」もう聞き飽きて大人は大人の振りをしてるだけでしょ?…
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雨色スコープ – 山根綺
花の無い部屋で暗がりが明けて目を覚ましたんだ 明日なんて来ないと笑いながらさ物語はそうやって始まるみたいこの薄明の息吹と昨日のため息すれ違いあってどこにいくの 視界が滲み出し 溢れるようになりふり構わず独りよがり私を急いて風が吹く その涙雨 私の中 映して言葉も意味も弾けて混ざっていた何か掴みたくて届きそうになるといつも震えるただ息をするだけで私の世界が変わっていく嘘みたいな本当のこと わたしたち…