大木伸夫

独航船 – 大木伸夫

ここはオホーツク 氷の海だ
おっぽり出されりゃ お陀仏さ
お出でなすった でっかい波が
未練ごころを ぶったぎる
トコドッコイ
地獄まわりの 独航船

海じゃ銭ンコも 女も無用
ひゃァこい徳利が 恋女房
二十歳そこらで 若後家さんに
なりたがってる
馬鹿ったれ
トコドッコイ
なさけ知らずの 独航船

蟹をつかんで 網からはがしゃ
ぎっちょのハサミを 振りまわす
俺がオギャーと 産ぶ声あげた
霧の千島で 荒かせぎ
トコドッコイ
いのち元手の 独航船

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