大庭照子

こわれそうな微笑 – 大庭照子

霧の海辺を さまよう少女
そっとほほよせる その手に
夏のおし花 あの人がくれた
幸せの この白い花びら

ポケットのかたすみの ちっぽけな幸せ
北風にさらわれて どこかにまぎれこむ
人影もない 秋の浜辺は
じっとこらえてる
こわれそうな微笑

ふりむかないで帰る かわいそうな恋よ
ちいさな花びらよ もうお別れよ
少女は一人 白い浜辺を
はだしで走る
こわれそうな微笑
こわれそうな微笑

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小さな木の実 – 大庭照子

ちいさな手のひらに ひとつ古ぼけた木の実(このみ) にぎりしめちいさなあしあとが ひとつ草原の中を 馳(か)けてゆくパパとふたりで 拾った大切な木の実 にぎりし

詩人が死んだとき – 大庭照子

静かに詩人は 息をひきとった涙で誰もが彼を悼む静かに詩人は 空へと旅立った涙で世界が 彼を送る静かに詩人は 麦の畑の小さな十字の お墓に眠るだからそこには 彼の

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