多岐川裕美
煙が風に – 多岐川裕美
プラットホーム 恋人達
腕をまわして 歩いてゆく
私はひとり ベンチにもたれ
煙草に火を点けてみる
煙が風に漂よえば
今朝のセリフがもう一度
波のように押し寄せて
涙を誘うの
別れが来ると思わないで
別れてあげると言った私
さりげなくあの人が
“いいさ”とうなづくなんて
別れが来ると思わないで
別れてあげると言った私
さりげなくあの人が
“いいさ”とうなづくなんて
待ち合い室の鏡の中
帽子をなおすふりをして
波のように押し寄せた
涙を拭いたの
プラットホーム 恋人達
腕をまわして 歩いてゆく
私はひとり ベンチにもたれ
煙草に火を点けてみる
煙が風に漂よえば
今朝のセリフがもう一度
波のように押し寄せて
涙を誘うの
別れが来ると思わないで
別れてあげると言った私
さりげなくあの人が
“いいさ”とうなづくなんて
別れが来ると思わないで
別れてあげると言った私
さりげなくあの人が
“いいさ”とうなづくなんて
待ち合い室の鏡の中
帽子をなおすふりをして
波のように押し寄せた
涙を拭いたの
雨がやみそうだわ蒼い風音 流行唄(はやりうた)昨日他人事(ひとごと)だった悪い予感の水時計あてにはならないつめたい男だけどあなたのばらまく不安がとてもスリルよジ
なんにも思わず 涙も流さずあなたの残したグラスを 見つめてひとりみんなわかっていた筈なのに心の奥のさみしさを ああわかってあげれば 別れも知らずにすんだのきっと
ドアを開ければ いつもの部屋ソファーの中に沈みこむのよ化粧をおとした鏡には女の心が映るわ送ってきた あなたを無理矢理帰したけれど一人でいることに少し疲れたみたい
幸せ それとも 不幸せ幸せ それとも 不幸せ鳴らない電話が憎らしい今夜もあなた 遙かなひと束めた髪を ほどきながら待ちわびる心をなだめてるララバイ 今日もくちづ
シャツのボタン 二(ふた)つはずしただけで他(ほか)の男(ひと)の視線 気にしてるあなたおいくつと ひやかせばムキになる人…モンシェリー早く大人になって欲しいけ
彼女の電話からパリの匂いがしたメトロの風に舞い踊る黄昏彼女の電話からパリの匂いがしたHOTELの重い扉の閉まる音それからしばらくして あなたから届いた彼女とあな
車を乗り捨てるように あなた愛の月日さりげなく ……脱いだあたしはそれでも今日と同じ顔で明日もどこかで笑う 約束よそうよ どこかの街で雨に濡れてるAhh あたし
アモール 欲しいのきつい爪の跡アモール 欲しいの生きてる 証拠(あかし)だけAh 昨日(ゆうべ)とちがう顔見せてるとAh 私を責めているそれがあなたの若さの理由
夢でもし逢えたら 素敵なことねあなたに逢えるまで 眠りつづけたいあなたは私から 遠く離れているけど逢いたくなったら まぶたをとじるの夢でもし逢えたら 素敵なこと
もう一度 私を抱きしめて今なら ドアを開けてあげるわあなたの心の別の女(ひと)黄昏の街 探していいわテーブルの上に残されたグラスに揺れる甘いお酒それはきっと あ
今朝もスープを二人分つくってるなんて お人良しあなたが突然 おはようとこの部屋に来そうで飲みすぎたんだと目をハラシ私に倒れる何故かしら そんなこと考えているのは
さよなら Mr.J.J. あたしをさがさないでもうお帰りなさい 彼女が待ってるわさよなら Mr.J.J. あたし旅にでるのよそうもとの気ままな 踊り子に戻るわ生