芽の出るあての ない種を蒔いて遙かな 空を見る時代のせいに していては何も変わらぬ 始まらぬだから明日も 種を蒔くいつか来る春 瞼に描きやぶれ小路の 裏長屋飢えを凌いで 水を飲む流した汗が 報われるそれが真の まつりごとこんな道理が 判らぬか空は晴れても 心は暗い人皆等しく 生きることともに平和に 暮らすことそれを望んで なぜ悪いたとえこの身は 果つるとも志士の心は 死なぬもの何を惜しむか 有明の月