三島敏夫

松の木小唄 – 三島敏夫

お山の松の木ゃ なにをまつ
まんまるお月さん 出るをまつ
私しゃ誰まつ 胸でまつ
今夜もあなたの 来るをまつ

手紙の返事も ナシの花
高嶺の花だと あきらめた
どうせあの娘は 人の花
そっと涙を フキの花

あなたは私の 宝物
なんにもほかには ほしくない
ダイヤモンドが あなたなら
ほかの男は 砂利の石

九千万人 いるなかで
しんそこ惚れたは あなただけ
雷さんが 鳴ったとて
つないだこの手が 離さりょか

あなたの背中へ 指でかく
好きと云う字を カナで書く
読んで頂戴 さかさまに
女ごころの なぞだもの

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面影 – 三島敏夫

北国の 春浅い川岸涙をこらえ ちぎれた雲をじっと見ていた あの娘(こ)よおくれ毛が おくれ毛が 風に吹かれ白いうなじが ふるえてた北国の アカシヤの並木よ二人の

夫婦鏡 – 三島敏夫

たとえ死んでもいいわあなたのためなら幸福な女だと世間は言うでしょうあなたの重荷になりたくないのよ夫婦鏡にうつし出す別れの薄化粧涙をためていた女がいたことを憶えて

千代ちゃん – 三島敏夫

これ以上待ってても無駄ですか千代ちゃんめぐり逢ったその時に ひと目惚れ単純と笑うかも 知れないけれど日ごと夜ごとに 夢うつつ僕のお嫁に 来てくれないか千代ちゃん

人妻椿 – 三島敏夫

愛しの妻よ 泣くじゃないたとえ別れて 住めばとて仰ぐみ空に 照る月は西も東も 同じことまた来る春が ないじゃないふまれふまれて こぼれ散る路の小草(おぐさ)の 

冬子 – 三島敏夫

ふたりで暮らせる しあわせほしい声をしのんで 泣いていた男のわがまま 気ままな夢に黙ってたえてた つくしてくれた冬子 冬子の 泣きぼくろひとりにさせたら 気がか

くちなしの花 – 三島敏夫

いまでは指輪も まわるほどやせてやつれた おまえのうわさくちなしの花の 花のかおりが旅路のはてまで ついてくるくちなしの白い花おまえのような 花だったわがままい

君は心の妻だから – 三島敏夫

愛しながらも 運命(さだめ)に敗(ま)けて別れたけれど 心はひとつぼくの小指を 口にくわえて涙ぐんでた 君よああ 今でも愛している君は心の 妻だからめぐり逢(あ

待宵草 – 三島敏夫

どれほど涙で やつれたら恋しいあなたに 逢えるのか夢で抱かれて 目覚めれば夜空の月さえ おぼろです待って待って待ちわびる 待宵草よ忘れてしまえる ものならばこれ

ALOHA OE – 三島敏夫

Ha' aheo ka ua ina paliKe nihi aela i ka naheleE uhai ana paha i ka likoPua ahih

夜の銀狐 – 三島敏夫

淋(さみ)しくないかい うわべの恋はこころをかくして 踊っていてもソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ信じておくれよソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ愛しているのさほ

青い炎 – 三島敏夫

生命(いのち)をかけて 愛しているの私は青い 炎になって言葉でなんかとても とても 言えないが誰にもまけは しないほどそれでももしや 嫌いじゃないの小さな胸は 

あの人だから – 三島敏夫

あんな男と 別れなさいとお店の友だち みんなに言われるわ苦労ばかりと 思うけどわたしがいなけりゃ だめになるあの人だから 暮らしてみるわもうしばらくは嘘も平気で

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