チュウたん(大原さやか)

  • 窮猫ハ鼠ヲモ噛メズ – チュウたん(大原さやか)

    届かない前肢を 何故伸ばしてまで頂に這い登る悉く赦しは朽ちた 儚い猫の其の夢は 囓り棄てよう 愚昧な猫には一日遅れの時計を。何人が卑劣と宣おうが構わぬ。然らば我には、救いも光もいらぬ。 我は闇の中に潜み、影の中に住み。回る暦の上、十二の年を率い。弛み無く人間達の地を守るのが定め。 誰の刃の傷痕か 汚泥の如き憎悪だけが記憶する朔は遠く鼠を照らす 灯るが儘の光には 歪な陰を 忌々しい猫族の輩がにゃあ、…

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