しばたはつみ

  • 化石の荒野 – しばたはつみ

    さめた男の胸板に耳をあてれば聴こえて来るすすり泣くような北風と獣(けもの)のうなり 人は化石の街に住み愛の欠片(かけら)を探している時の魔術師にだまされて心を開いて remember 愛は血を流すremember そんな日もあった肌のぬくもりだけそれだけを信じた日々が 暗い瞳に揺れ動く白い翼の鳥の群れは何に驚いてとび立つか灰色の空へ remember 愛は血を流すremember そんな日もあった…

  • 夜はドラマチック – しばたはつみ

    ラグジュアリー・レディーをはだしにすることが男の魅力といえるかもしれない夜は 夜はドラマチック ワイングラスでおぼれそうな昼と夜とが重なる時につめたい心で立っていてはいけない熱い踊りの渦に巻きこまれ…アッ アッ……… お手をどうぞ お手をどうぞ今夜だけは華やいでどうぞ夜は 夜はドラマチック ラグジュアリー・レディーの心を奪うなら男は孔雀に変わらねばいけない夜は 夜はドラマチック ダイヤモンドにまさ…

  • 濡れた情熱 – しばたはつみ

    熟れた果実を 二人で分けた恋の夜をうらまないわ 全てあげた私オリーブの花 髪に飾ってあなただけを 待ちわびたの甘いしのびあい 濡れたあの砂悪いのはあなたじゃない 肌をよせた私のせい男の心 今はわかるの うれいにみちた 恋のまなざし甘い過去がつらい私 暗い夏の終わりあなたがいれば 楽しいはずの海の夜明け にがいワイン悪いのはあなたじゃない 肌をよせた私のせい男の心 今はわかるの 男の心 今はわかるの…

  • 火の鳥ならば – しばたはつみ

    今夜雨が降ります私きっと 濡れます傘がないの 失くしたのよあなたの心と一緒に今夜雨が降ります川の水も 増えます身投げしそう あの橋からあなたと別れた橋から ああ私がもしも 火の鳥ならば燃えて追いかけるああ死ぬなと言って 私を棄てたあなたを死ぬまで一途な私だけど 力が尽きたの 今夜雨が降ります私ひとり 泣きます逢いたくない 今誰にもあなたの悪口 言いそう ああ私がもしも 火の鳥ならば燃えて追いかける…

  • ブルースを唄う女 – しばたはつみ

    ブルースを唄わせて私の唇が別れた男を恋しがってるブルースで酔いたいの泣くのはこりごりなのよ淋しい女だから意地でも張らなきゃ死にそういい時はいいけれどまぼろしね 愛なんて通り雨ブルースを唄わせてさよなら言った数だけいい思いしたことあったかしら ブルースを唄わせて今夜誰に抱かれようそれとも一人で星を見ようかブルースが好きなのよ嘘をつかない歌だわ浮気な女だと私を責めたりしないいい時はいいけれどまぼろしね…

  • スポットライト – しばたはつみ

    誰でも一度くらいスポットライトが当るでしょうねえ それが 人生というものでしょう あなたとくらすときまった時に私はそうかと思ったけれどそんなの夢だと三日でわかり一日過ぎたらこわれていたわタクシードライバー朝のコーヒーすする横で私は汽車の時間表を見ている やり直しだわ もう一度やり直しだわ もう一度どこかで楽しげにくらしてみるわくらしてみるわ くやんで泣いたり決してしないあきらめやすさが取り得だけれ…

  • シンガーレディ – しばたはつみ

    シンガー・レディ AH………歌を愛して生きていた星たちは遠い想い出の空で 今も輝くシンガー・レディ シンガー・レディアア…そう呼ばせてほしいシンガー・レディ シンガー・レディアア…素晴らしいあなたシンガー・レディ シンガー・レディ AH−道がなくても 探せるの探せるのいまもあなたが私 支えてくれる HA…… 私も夢をひろげるわ あなたの夢をどこまでも追いかけて AH…ゆくわシンガー・レディ AH……

  • ショーガール – しばたはつみ

    都会にあこがれて故郷捨てたわ夜明けの停車場であの人はさよならの言葉を幾度も繰りかえしてそっと背中をみせた あれから一年の月日が流れて私は踊り子に身をかえた舞台の片隅でスターを見つめながら明日を夢みているの あの人のやさしさ忘れはしない涙にくれた時などすべてあげた夜を想い出すわ恋も涙も捨て歌に生きるの 二十才の誕生日手紙を書いたわ私を待っている故郷へスターになるまでは帰るつもりはないと固い誓いをこめ…

  • サイレント・トーク – しばたはつみ

    ねぇ 切らないで何処にいるのよもう半年も音沙汰なけりゃ顔も忘れてしまうじゃないベルが鳴る ためらいがちに響き出す あなたの言葉 電話線クルリと巻いた指先に夜が染まるわ ウウーン ごめんね黙り込んでて涙で声がつまってるだけ サイレント・トーク 遠くはなれた想いをそっとたぐり寄せるのサイレント・トーク 無口でもいい心をじかに話しかけてよ バス・ローブはおった肩が凍えそう もう春なのに恨んだわ けんもほ…

  • アンクル・トム – しばたはつみ

    おじさん いつものブルースをいつものようにやっておくれ酔ったお客がアンクル・トムのまるい背中をたたいて言った安い酒場 古いピアノ淋しく死んだ男の歌をわざと陽気にトムは歌う故郷で親父は元気かいといつか私にきいたトム おじさん 私も歌わせておさらばしたの 惚れた男とマイク片手にアンクル・トムのほほに口づけ 私は歌う暗い灯り 古いピアノお客の拍手に目を閉じながらあの日何度めかの男と別れた笑って小さな財布…

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