おいしくるメロンパン
-
砂の王女 – おいしくるメロンパン
果てを目指して さぁ砂に足を取られようとも君が忘れた全部を僕が思い出せる間に 一夜限りの雨が白紙に戻した世界地図ただ一つ覚えてた胸の奥にかかる虹のふもとへ The castle walls are likea birdcage that shuts you in深い影の忍ぶ窓辺に 風を焦がして嗤う残酷な季節もそれを奪えはしない内なる海を 枷を外して さぁ抜け殻の街を背に行こう君が何も知らなくても僕…
-
式日 – おいしくるメロンパン
城壁の向こうから風船が空を覆う君はまだ眠る城壁の向こうから知らない歌が聞こえるブランケット被っている微睡む君の枕元へ ラジオダイヤル 0khz待ち合わせは 12:40お間違えないようにご注意ください 挨拶がわりのワルツ腕時計は 12:40コーヒーはアメリカンでご賞味ください ファンファーレ定刻通り式が始まる 城壁の向こうから風船が空を覆う君はまだ眠る城壁の向こうから知らない歌が聞こえるブランケット…
-
渦巻く夏のフェルマータ – おいしくるメロンパン
やがて魔法から醒めてゆく排水口に夏が渦巻く君の気配が薄れていく僕を残して 定まった被写界深度下回った低い融点頬を伝ったこれが最後まだ僕は取り繕って永遠だった筈の想いを気化熱が奪っていく 雨も涙も栓を抜いたプールの思い出も行き着く先は海の果て 君はもう流れ着いた?僕をここに残したまま季節は今ゆっくりと動き出した風が冷たくて魔法が解けていく どんな言葉もあの日拾った貝殻もボロボロの君の袖透かした空も …
-
フランネル – おいしくるメロンパン
単純なことですら難しく考えてしまう癖斜め色の夕景にやがて僕も染まりはじめてる 焼きついたまま君をくり抜いてずれる街言えないままに飴玉は溶けて甘ったるいだけ 不確かで不揃いの言葉じゃ選んでも選んでも渡すもんがないねえどうしてもありのままを吐いてもほつれた先から風に舞う紅いフランネル 欄干の影を跳ぶまた一つ飴玉が落ちる 頭の中で街をくり抜いてずれる君眩しくてまだ僕は目を伏せたまま 身勝手で頼りのない僕…
-
黄昏のレシピ – おいしくるメロンパン
切り刻む 今朝の誓い押し潰す 昨日の後悔盛り付ける 君の名前ごちゃ混ぜのサラダボウル 例えばこの中いくつもの彩僕が一つずつ失くしたとしたらじゃあどっから僕が僕ではなくなるのなんて知りたくもないけれど 代わり映えのないこの日々に積もるとりどりの君の言葉が僕を作っていく混じり気のない風の中嗚呼 募っていく仰げば羊雲どこまでも山並み平らげて駆けていく 傷んでた 淡い期待切らしてた 心の余裕もういいやヘル…
-
garuda – おいしくるメロンパン
鉄の靴で均す 無垢の沙上絵画青く燃える空に伸びる螺旋階段風に揺れる木漏れ日の中にはもう誰もいない 翼のない僕と沈みゆく小さな国振り返ることなく遠く消えゆく姿を いつまでも いつまでもいつまでも いつまでも僕は見つめている 宛てもなく 宛てもなく明日の意味を探している 空高く伸ばした手を包む温もりで君がそこにいたってことを僕は今 知るのさ 光の海の中で新しく選ぶ色に世界は染まっていく 泣いたりはしな…
-
夜顔 – おいしくるメロンパン
25時のビル風乾いていく髪の匂い刃こぼれした台詞と君の手のぬるい感覚がずっと ずっと 残る まだ忘れないで 忘れないでって何度でも書き足した線で もう原形が分からないの君のように 君のように笑えなかったことは今も覚えてる あの日から僕だけが大人になってしまった君にきかれた花の名前だってあの頃は知らなかった ずっと ずっと 残る霞んでいく 燻んでいく 夜 まだ萎れないで 萎れないでって何度でも感情を…
-
シンメトリー – おいしくるメロンパン
重なりゆく季節の磨りガラスの上君にもらった残照がひだまりに散ったお構いなしの晴天に伏し目がちになる君のことを思い出す夏が憎らしい まだ知らない事ばっかだったね あの頃は 言葉にする度に腐り落ちてしまうから鍵をかけたら開け方が分かんなくなった君に借りた本に栞みたいに挿した水色の感情を水色のままあげたくて溢れるのは夕焼け色の涙 連なりゆく記憶の果てまで行けたら今度はもっとちゃんと君の目をみたい水玉模様…
-
波打ち際のマーチ – おいしくるメロンパン
波打ち際のマーチ歩いていこう濡れた靴鳴らして足跡は残すつもりなど無いのさ思い出なら 波よ攫え 傷に染みる潮風の歌ひとり口ずさめば心の風車は回る今日もくるくると回る トリコロールに染まる彼方街は寝息の中甘い夢の続きを見よう 虹のアーチ歩いていこう 折れた傘は捨ててアルバムに残す写真などないのさ思い出なら 錆びてしまえ 時にはくもり空不安と期待の中 沈んだりするそれでも深い眠りから冷めた頃にまた踏み出…
-
ベルベット – おいしくるメロンパン
二度と解けない風に舞う白いベルベット 先天的な差異も取るに足らんような誤解も白シャツにこぼした憂いも人知れずシミになっていた 君がこの街を去って僕がその答えを知ってどれだけ経つだろう風も色も変える頃さ 愛も解も才も他意もないのなんて純真無垢な礼と無礼と灰色の毛糸編んで頂戴生涯息を吸って吐いて吸って吐いて今日も少しずつ濁り続けてゆく 二度と解けない固結びの言葉君の髪飾り風に舞う白いベルベット 厭世的…