いよわ

  • くろうばあないと – いよわ

    生まれ落ちたあの日から炭素になるその日まで運命な気がするからお花畑の果てから追いかけてくるものから逃げ切りたいと思うの テストが近いの 真面目でいたいの一蓮托生よ 私たち悪くなんかないよ 事故みたいなものだよ一連托生よ 私たち毒を食らわば 皿まで 欲を食らわば 身体まで罪を食らわば 人まで 愛を食らわば 墓場まで私だけのくろうばあないとさま私を守って。守って。守って。毒を食らわば 皿まで 欲を食ら…

  • 粗大ごみの日 – いよわ

    寂しくて泣きそうだ今まで幸せだった魔法のような日々だって捨てるにはお金が掛かるんだね ちょっと火照った風で目醒めた教科書の小説家が書いた季節になりましたパックした段ボールの塔も昨日のうちに運べました 重ねてははぐれ離れたものの数を数えていた頃の話 魔法使いをやめないで散らかった床が懐かしいねハズレ引いたような顔で机の足に背を預けてそこら中駆け回って出しゃばった涙隠して冷たい紙めくって春風舞い戻って…

  • ポプリさん – いよわ

    ああ 酷く混んだ交差点ですれ違う喫茶店の話かけられない遠い席で栞はさむポプリさんああ 砂糖ひとつ紅茶に放りこむ少しだけネットで話題になっていた本は途中で飽きたみたい 執着的な愛をまた人並みのセンスもそれなりには持っていた僕の瞳は甘い香り添えて揺れるスカート躍る脚の先までを映してたはずだった産まれてくる前の方が君は綺麗だったよ ポプリさん ああ 一つ前のバスに乗り込む苦しくてもう息も吸えない霧の向こ…

  • うらぽしゃ – いよわ

    どうか 神の御慈悲を給え恵まれないあなたは人を殴るからどうか 地獄へと征きませ豚に真珠とはよくも言えたものだから近寄るなよ その足元這いつくばって生まれてごめんねと口走りそうになるから人の上に立って講釈を垂れる化粧のできないその顔は忘れないわ血で塗れた椅子に腰掛ける猿よああそのままいつまでも私の死体を想像して何かを成し遂げた気でいろ どうか 神の御慈悲を給え盗みのばれたあなたは人を殴るからどうか …

  • アプリコット – いよわ

    ゆりかごから墓場まで行きと帰りのうたた寝夕暮れの素敵な雨無垢なる切符の片割れ 握りしめてみた理科室からセレナーデおともだちも右回れあんずの香り ふわりと 指先から頭まではやる気持ちあたためているから大事な大事な宝箱にかわいいかわいい日々をしまった想い出ごと引き出しで飼いましょう 小さくなった公園へ口を開いていた影鬼が笑っているあしたてんきになあれカラスが運ぶ逆撫で時の流れは爛れているから大事な大事…

  • 三十九糎 – いよわ

    先立つ幸せをお許しください我が儘に遺す声を聞いてください桜の花も失せた六月の菖蒲そこにはもう私は居ないでしょう 先立つ幸せをお許しください若さ故の恋の匙 掬ってください泣いてる友達を慰める言葉それすらもう声には出せないでしょう先立つ幸せをお許しください逃げ続けたことをただ叱ってくださいこの世に生まれ落ちて救われることは救われたと伝えることなのでしょう 遠い街に行きます先に降ります離れていく光に手を…

  • パジャミィ – いよわ

    遠い 夢の部屋はじめましてじゃないって暗い 夜がこわくて泣いていたのねふたり クラスメイトとは少し違う友達がささやき声で 連れていくわ 秘密基地に きみの傷をいやすように痛みから気をそらすようにとっ散らかしたおもちゃと長い袖がちょっとくすぐったくて頬をつねって「また会おうぜ」裸足で蹴り飛ばして宙に向けて放った大事なだれかの心の時間かせぎお願い目覚めを忘れたままで、パジャミィ 遠い 夢の部屋はじめま…

  • さよならジャックポット – いよわ

    おんぼろゴミのスロット多分 人生はそんなのはした金を BETきっと 当たらないものだからくだらないってゲームのひとつだろ結果は見れたものじゃないけど ようやく 覚えた芸で苦く 稼いだ身銭でインスタントな夢をデコってくっつけてバラまいた人嫌いの 私だけの物愛せる物が あっただろう ジャックポットなんてここには無いので冷えてほしい跡知ってほしいから心の中だけで中指立てて いるのさ負け犬のマーチのテンポ…

  • 地球の裏 – いよわ

    めるくなった魚のような目をしている強すぎる光でかぶれて腐っていくあなたのこと見かねてむかえに来た獣自己の紹介です唇のすき間から酒をこぼしたり味のしない肉をただ噛んでいる遠慮がちな墓に成りさがってゆく屍意識は朦朧としてるかい 首輪の内側には棘が刺さっている動くたびに深く食いこみ抉っていく金にできる石や紐とかはもう何にも無いコインを貸してあげる唾飛ばしてめくったカードの柄は変わらない爪食いこむ前足そっ…

  • 深夜怖い – いよわ

    なにかがいる私を見てる廊下にいるベッドにいる足音がする私を見てるだからこの部屋になぜか閉じ込められている濃霧がきてる蜥蜴がいるシーツを濡らす連れて行かれる手足を縛るだから逃げることはできない 花幼い 虚痒い 骨五月蝿い 混ざり汚い話痛い 夢眩い 躑躅甘い 彼方儚い繋重い 痣明るい 口咲かない 赤仄暗い息苦しい 煩わしい 血生臭い 深夜怖い 終わらぬ悪夢を知ってるか歯が抜け落ちてく感覚を知ってるか蛞…

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