あさみちゆき
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それからの黄昏シネマ – あさみちゆき
黄昏に 立ち止まって何故かふと 哀しくなる何か 大切なものを忘れてしまったようで家族のために 生きながら自分の心はいつか 置き去りに私の長い人生のあなたはずっと 主人公あんなにあんなに 愛した人はあなただけでした 眠れずに つけたテレビなつかしい リバイバルに何か 大切なものを忘れてしまったようで後悔なんて ないけれど時間を戻せるならば あの頃にあなたの遠い青春の私はずっと エキストラあんなにあん…
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どくだみの花 – あさみちゆき
運命なんてきっと 変えられるって信じたことも あったけど生まれながらの 人生は背負ってゆくしか しかたないね日陰にしか 咲けない花の日陰にしか 咲けない恋よどくだみ どくだみ嫌われ者と わかっているけれどどくだみ どくだみ私だって 白い花 薔薇とか桜ならば 良かったのにと妬んだことも あったけどあなたを好きに なったとき綺麗な気持ちを 思い出した日陰にしか 咲けない花の日陰にしか 咲けない夢よどく…
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初雪 – あさみちゆき
昨日 初雪が 降りましたこちらは もう冬支度ですあなたと 別れて 二度目の冬を愛しさ 堪(こら)えて 迎えます二時間もあれば 逢いに行けるのにふたりの距離は 遠くなるばかり十年あまりの 東京暮らしあなたに逢えて しあわせでした今はただ 残り少ない 母の人生に寄りそって いたいのですあゝ 今は… 季節は 駆け足で 過ぎて行きすべては もう昔のようですあなたの 思いに 添えなかったこと時折り 心が 痛…
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白い花飾って – あさみちゆき
悲しいことが 続くから今夜は熱燗 厄落とし白い花など 飾ってさひとり しみじみ 酔いしれる古いレコード 聴きながら酔いにまかせて 口ずさむ過ぎた時代を 懐かしみ夜半(よわ)の雨さえ 愛おしいああ 女であることが 鬱陶しくなるたかが 男と うそぶいたってああ 心は闇に 落ちて行くようで悩ましいのよ 春の宵 恋に溺れた 若き日の濡れた瞳に 映る影あのひと好きな 白い花苦い思い出 行き過ぎる誰かを泣かす…
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あの日のままのカレンダー – あさみちゆき
10年後の今日 また逢おうとあなたとの約束を まだ覚えてる若すぎた きっと それだけだった別れた 理由なんて10年は 長すぎるよ待つのには 長すぎる10年は 短すぎる忘れるには 短すぎる心の中に今でもあの日のままのカレンダー 倖せってそう 何だろうと考えて立ち止まり ふと空を見る昔より すこし 上手になった心に 嘘つくこと10年は 長すぎるよひとりでは 長すぎる10年は 短すぎる忘れるには 短すぎ…
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冬の花びら – あさみちゆき
咲かない恋の 行く末を愛(いと)しむような 冬の空はらはら 恋しさ 降り積もるあなたと居れば 寒くはないわどうぞ隠してよ このままふたりあぁ あぁ 雪が 雪が舞う 花には花の 咲く春が蝶には蝶の 飛ぶ朝がふたりの明日(あした)は いつ来るのこの世に果てが あるならいっそ越えて行きたいの 帳(とばり)の向こうあぁ あぁ 雪が 雪が舞う 角巻(かくま)きひとつ 身を寄せ合って冬の花びらを 見上げるふた…
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情島物語 – あさみちゆき
瀬戸内海の かたすみにぽつんと浮かぶ 島があるなにもないので 旅人をもてなすことが できなくて情けないので 村人がつけた名前が 情島 なんにもないと ゆうけれどきてみりゃ そこは 夢の島とれたばかりの 小魚は煮てよし 焼いて たべてよし白い浜辺の お座敷で飲めば うたうよ さざなみが ポストのような 灯台にかもめが運ぶ ラブレターそんな日暮れの 風景が汚されないで 残ってる情あふれる 情島忘れられ…
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東京迷子 – あさみちゆき
赤いリボンじゃ 隠せない細い手首の まよい傷放っておけよと ソッポむく渋谷のマリヤは 十二・三歳(ジュウニサン) 両親(オヤ)の面(ツラ)など 忘れたサツバを吐くよに 言い捨てる青いうなじの 幼な顔ケン坊十六歳(ジュウロク) 池袋 あのコも孤独(ヒトリ) このコも孤独(ヒトリ)やさしさ迷子 東京迷子 風の新宿 ビル颪(オロシ)寒さしのぎの 恋遊戯(ゴッコ)ゲーム・オーバー サヨナラじゃピアスも泣い…
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吉祥寺グッバイ – あさみちゆき
今夜あなたに 嘘をつく好きな男(ひと)が 出来ました今日で終わりに しようねと何でもないよに 言いたいの 夢をたくさん くれたからそっとさよなら あげたいのここは終点 吉祥寺あなたは渋谷に 帰るひと バイバイバイ・ララバイバイバイバイ・ララバイ行ったり来たりの 恋を眠らせて 多分あなたは 分かってるそれが嘘だと 知っているだけど淋しく 微笑んで幸せ祈ると 言うでしょう 愛は後悔 しないこと古い映画…
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さよならをいう気もない – あさみちゆき
ハイヒールのかかとが折れて歩けないああ この先へは進めない 歩けないはしゃぎ過ぎた子供がベソをかくようにああ なんて私 ついてない 運がない男と女はいつも悲しい手さぐりで心のやすらぎ求め合うけれど季節を見送る詩人のようにさよならをいう気もない 悲し過ぎて ハイヒールを両手に下げて歩き出すああ この場所へはとまれない いたくないミュージカルの場面のようにおかしくてああ だけど私 歌えない 踊れない男…