三島敏夫

面影 – 三島敏夫

北国の 春浅い川岸
涙をこらえ ちぎれた雲を
じっと見ていた あの娘(こ)よ
おくれ毛が おくれ毛が 風に吹かれ
白いうなじが ふるえてた

北国の アカシヤの並木よ
二人の愛の イニシャルきざみ
恋をちぎった 思い出
あの頃は あの頃は 若い胸が
いつもせつなく 燃えていた

北国の 春浅くめぐって
別れたあの娘 面影だけが
今日もこころに しみるよ
淋しそな 淋しそな 影のあった
可愛いあの娘の 面影よ

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松の木小唄 – 三島敏夫

お山の松の木ゃ なにをまつまんまるお月さん 出るをまつ私しゃ誰まつ 胸でまつ今夜もあなたの 来るをまつ手紙の返事も ナシの花高嶺の花だと あきらめたどうせあの娘

夫婦鏡 – 三島敏夫

たとえ死んでもいいわあなたのためなら幸福な女だと世間は言うでしょうあなたの重荷になりたくないのよ夫婦鏡にうつし出す別れの薄化粧涙をためていた女がいたことを憶えて

千代ちゃん – 三島敏夫

これ以上待ってても無駄ですか千代ちゃんめぐり逢ったその時に ひと目惚れ単純と笑うかも 知れないけれど日ごと夜ごとに 夢うつつ僕のお嫁に 来てくれないか千代ちゃん

人妻椿 – 三島敏夫

愛しの妻よ 泣くじゃないたとえ別れて 住めばとて仰ぐみ空に 照る月は西も東も 同じことまた来る春が ないじゃないふまれふまれて こぼれ散る路の小草(おぐさ)の 

冬子 – 三島敏夫

ふたりで暮らせる しあわせほしい声をしのんで 泣いていた男のわがまま 気ままな夢に黙ってたえてた つくしてくれた冬子 冬子の 泣きぼくろひとりにさせたら 気がか

くちなしの花 – 三島敏夫

いまでは指輪も まわるほどやせてやつれた おまえのうわさくちなしの花の 花のかおりが旅路のはてまで ついてくるくちなしの白い花おまえのような 花だったわがままい

君は心の妻だから – 三島敏夫

愛しながらも 運命(さだめ)に敗(ま)けて別れたけれど 心はひとつぼくの小指を 口にくわえて涙ぐんでた 君よああ 今でも愛している君は心の 妻だからめぐり逢(あ

待宵草 – 三島敏夫

どれほど涙で やつれたら恋しいあなたに 逢えるのか夢で抱かれて 目覚めれば夜空の月さえ おぼろです待って待って待ちわびる 待宵草よ忘れてしまえる ものならばこれ

ALOHA OE – 三島敏夫

Ha' aheo ka ua ina paliKe nihi aela i ka naheleE uhai ana paha i ka likoPua ahih

夜の銀狐 – 三島敏夫

淋(さみ)しくないかい うわべの恋はこころをかくして 踊っていてもソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ信じておくれよソーロ・グリス・デ・ラ・ノーチェ愛しているのさほ

青い炎 – 三島敏夫

生命(いのち)をかけて 愛しているの私は青い 炎になって言葉でなんかとても とても 言えないが誰にもまけは しないほどそれでももしや 嫌いじゃないの小さな胸は 

あの人だから – 三島敏夫

あんな男と 別れなさいとお店の友だち みんなに言われるわ苦労ばかりと 思うけどわたしがいなけりゃ だめになるあの人だから 暮らしてみるわもうしばらくは嘘も平気で

おひとよし – 三島敏夫

女は惚れたら 死ぬまで尽くします男は気まぐれ 一夜で気が変わる寝物語にあなたにあまえ私の過去を打ち明けたあゝあゝおひとよし おひとよし恋は路地裏 こぼれ花女はき

恋あざみ – 三島敏夫

愛しあっても どうにもならぬ今日と言う日が 行(ゆ)き止まり思い出だけの あなたゆえ遠くで倖せ 祈りましょうあたしは酒場の 恋あざみ純(うぶ)な気持ちで 愛して

わたし祈ってます – 三島敏夫

身体にじゅうぶん 注意をするのよお酒もちょっぴり ひかえめにしてあなたは男でしょ強く生きなきゃ だめなの私の 事など 心配しないで幸せになってね わたし 祈って

夜霧よ今夜もありがとう – 三島敏夫

しのび会う恋を つつむ夜霧よ知っているのか ふたりの仲を晴れて会える その日までかくしておくれ 夜霧 夜霧僕等はいつも そっと言うのさ夜霧よ今夜も有難う夜更けの

浅草しぐれ – 三島敏夫

逢えば別れが 悲しいものを逢えぬ淋(さみ)しさ 尚更(なおさら)つらいあなた偲んで 仲見世通りどこか似たよな うしろ影ひと目逢いたい………夜の浅草 通り雨うるむ

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