タダシンヤ

優しいヒーロー – タダシンヤ

晴れた朝 日曜日
『学校はどうだ?』ってきいてる
その声はきっと
家族を守ってるんだ そんな気がする

『変わったことはないよ』
少しだけ強がるのは
外に干してあったワイシャツが似合うような男になるため

いつも 優しいヒーロー

僕もいつかあなたになりたいと願う
汗をかきながら働きたいと思う
誰になんて言われたっていいじゃん
僕がずっと誇りにしてるからね

日が暮れて水曜日
僕はひとりで悩んでた
学校であった出来事を伝えようか
迷いながら

『無理することはないよ』
まっすぐに見つめるから
その声をきいて
涙が溢れたんだ がんばってみるよ

いつも 優しいヒーロー

次の朝 会社に出かけるその前に
心配そうに僕の部屋をのぞいていく
眠ったフリをして僕がきいたドアの音は
『がんばれ』って言っていた

僕の勇気ノックした

雨の朝 金曜日
満員の電車に揺られて
小さくたたんだ
新聞に目を落として 会社に向かう

そんな 優しいヒーロー

僕もいつかあなたになりたいと願う
電話越しに頭下げ何か書いてる
少しだけシワになったスーツは
大事なもの 守ってる証

僕もいつかやがて社会に出るだろう
守るべき誰かに出会っていくんだろう
『おまえならきっと出来る』って言った
僕はずっと おぼえているからね

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