大木伸夫

涙の酒 – 大木伸夫

男一途の火の恋を
何んで涙でけされよう
未練ばかりがただつのる
夜の暗さを はしご酒

浴びておぼれて なお酔えぬ
酒のにがさをかみしめる
露地の屋台の灯にさえも
男心が 泣ける夜

涙ぐんでた あの顔に
なんで嘘などあるもんか
噂なんだぜ 噂だと
胸にきかせる はしご酒

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男の履歴 – 大木伸夫

義理の重荷を 五尺に背負い仁の一字が 心の掟 受けた啖呵に からむ酒燃える誠の 男の履歴両のかいなに 観音菩薩すがる女房に三下り半を賭けた命の 度根性燃える勝負

独航船 – 大木伸夫

ここはオホーツク 氷の海だおっぽり出されりゃ お陀仏さお出でなすった でっかい波が未練ごころを ぶったぎるトコドッコイ地獄まわりの 独航船海じゃ銭ンコも 女も無

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