チダタカシ

京祭り – チダタカシ

迷ひ込んだ 花小路(こうじ)に
炎(も)ゆる山の端(は) 碧(あお)く
浴衣(ゆかた)の君は 石畳(いしだたみ)に
立ちのぼりゆく 陽炎(かげろう)

人と夢が逢ひ 儚(はかな)き泡となる ソーダ水の戀(こひ)
君は簾(すだれ)越し 咲く夕顔を 一つ切り 髪に飾る

嗚呼 夢はまた夢 藍(あひ)色に染め
夢はまさ夢へ 咲き乱れる 高嶺(たかね)の花
まるで逃げ水 追へば消へゆく
宿命(さだめ)と知りつ 心止まらない
走馬燈(そうまとう)の切なさ

裸電球と 十六夜月(いざよひづき)が
眩(まぶ)しさ競ふ 夜店(よみせ)
その指から 零(こぼ)れた金魚
水飛沫(みずしぶき)あげ 舞ひ踊る 

今宵(こよひ)月影で 人知れず瞬(またた)いた
蛍火(ほたるび)の戀(こひ)
君の強き意志と 愁(うれ)ひを帯(お)びた
瞳がそっと 閉じた刹那(せつな)

嗚呼 夢はまた夢 戀(こひ)の結び目
夢はまさ夢へ 渡る浮世の 綴(つづ)れの帯(おび)
賀茂のせせらぎ 水面は揺らぎ
君は汗ばみ そのうなじへ触れた 指先を幻想に変へる

古都の片隅 何にも言はず
君が見つめる 線香花火は 宇宙の花になった
夢はまた夢 夏の通り雨
夢はまさ夢へ 心濡れて濡れて 思はず君を抱きしめてた

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