岡千秋
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群青の弦 – 岡千秋
風に流れるヨー 霧の音静寂(しじま)に開く 花の香(か)に心かたむけ 群青の夜に沁(し)み入る 箏の音(ね)は何を偲びて すすり泣く 凍るその手にヨー 水をかけ千遍(せんべん)弾(び)きの 荒修行朝は朝星 夜(よ)は夜星(よぼし)母の温(ぬく)みを 胸に抱き意地で弾(はじ)いた なみだ弦(いと) 百や二百のヨー 理屈よりひとつの真実(まこと) こころざし守り通して 天命(さだめ)を生きる誰に聴かせ…
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命の花道 – 岡千秋
渡る世間の 身を切る寒さ弱音吐いたら 苦労が笑う 苦労が笑う夢は夢でも 叶わぬ夢をエンヤコラ ドッコイショ叶えてみせる いつの日か飾る 飾る 命の花を 花道を 言葉なくても 目を見りゃ判る惚れりゃ尚更 心が見える 心が見えるあれは祭りの 太鼓の音かエンヤコラ ドッコイショ路地から路地に 鳴り響く続く 続く 命の花が 花道が 雨に明日が 隠れていてもやがて日が照る 朝日が昇る 朝日が昇る生きて一生 …
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新宿しぐれ – 岡千秋
ぽつり手のひら 雨しずく それとも涙男と女のにじむ歌舞伎町ひとりでも平気よと 強がり見せてあの日別れた 後ろ影なんで なんで なんで悔やむか想い出がそぼ降る 新宿しぐれ 淋しがり屋が 肩寄せて グラスを合わせ今夜もどこかで 恋の花が咲く爪を噛む甘え癖 覚えているさ古いアパート 合鍵もとうに とうに とうにないけど雨音がせつない 新宿しぐれ 誰もこの街 ぬくもりを さがして歩くはかない夢でも 夢に逢…
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大阪つばめ – 岡千秋
雨の降る夜は 人恋しくて夢がぬれます ネオンがしみるとんでゆきたい 抱かれたい大阪つばめ縁を切る橋 つなぐ橋渡りきれない 淀屋橋 声をかければ 他人の空似うしろ姿の しあわせばかりあなた逢いたい もう一度大阪つばめたとえかなわぬ 夢でいい両手合わせる 法善寺 にごり水でも 青空うつす越えてゆけます あなたがいればふたりとびたい 春の空大阪つばめつたい歩きの とまり木は浮いて流れて 北新地 人気の新…
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那智の恋滝 – 岡千秋
この世にあなたが いないのならば生きる意味など ないのです白い野菊の 花嫁衣裳一人深山(みやま)へ 入ります熊野 龍神 小森谷(こもりだに)身丈(みたけ)に合わぬ恋でも あなた…闇(やみ)も静寂(しじま)も 蛇(じゃ)の道も恐れはしません お万のことを夢であなたが 待つのなら お側(そば)にあなたが いないのならば見せるお方も ないのです残る白粉(おしろい) 川面(かわも)に流し紅も一緒に 溶かし…
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高知 いの町 仁淀川 – 岡千秋
帰ってきたよ おまえの胸にごめんごめんよ 待たせたね普段(むかし)のままに 「おかえり」なんて言われりゃ「オッス」と うなづけただけもう離さんよ そばにおるよいいね 高知 いの町(ちょう) 仁淀川(によどがわ) こんなに痩せて 小さくなってひとりそれでも 耐えてきたカゲロウよりも 儚(はかな)く薄い土佐和紙(とさわし)生まれた 俺たちの町もう行かんから どっこも行かんいいね 沁みる 青さよ 仁淀川…
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春待ちしぐれ – 岡千秋
これから先の 人生すべて俺にあずけて みないかなんて…外は遣らずの 春待ちしぐれこんな私で こんな私でいいですか何にも言えずに 涙があふれ思わずむせんだ あなたのお酒 あきらめかけた 倖わせなのにまるで出逢いは ドラマのようね…胸に沁みます 春待ちしぐれこんな私で こんな私でいいですか過去ならたっぷり 俺にもあると私を気づかう やさしいお酒 夢でもいいの 覚めずにいてと頬をつねれば あなたが笑う……
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桜色のオ・ヴォワ – 岡千秋
サテン纏う夕映えに 誘(いざな)われた 長い影私のタブリエを着て 絵を描くあなたへと今は胸の中で 手を振るのよ恋の花はいま 枯れて オ・ヴォワ 桜色に暮れる街 ゆくあてなき まぼろしよ星のみえる丘のもと ほほえんでるあなた今は夢の中で 語らうだけ二人が暮らした 部屋に オ・ヴォワ 恋の月はすみれ色 みちびかれた 絵の二人はじまりの駅に降りて あなたもそこにいたいまは時の中で 見つめるだけ新しい夜明…
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日本一やで – 岡千秋
惚れたハレたは 蚊帳の外いなけりゃ淋しい 女房どの右目つぶった それだけじゃ足りずにつぶった 左目で許す器量は 許す器量は 日本一やでこれが俺らの カミさんや 口じゃ女にゃ かなわない相手が娘じゃ 尚更だだけどやっぱり 親子だな生意気放題 その後で見せる笑顔は 見せる笑顔は 日本一やでそうさ俺らの 宝物 安い酒でも 肴でも仲間が集まりゃ 旨くなる一人欠けても 灯が消える変わらぬ気持ちで 酌み交わす…
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星空のむこう側 – 岡千秋
星を見上げれば 笑顔が見える僕のこの胸を 優しく照らす両手に溢れる この想い消えずに届いて いるだろうか君が君が君が 好きだよ ずっと…星を見上げれば 笑顔が見える 街に灯(ひ)がともる 景色を二人時間(とき)を止めたように 見つめていたね「灯りの数だけ 人生があるのね」寄り添い あの日言った君の君の君の 横顔 綺麗…夢の中でいい 逢いたい僕さ 離れていたって 一人ではないから星空 駆け抜けたら君…